アノニマス氏からのEメール#16

これは、アノニマス氏によって2006年3月9日に投稿された16番目のメールの内容です。

■ビル・ライアン氏によるメモ
このメールは、ネバダ州ラフリンで開催されたUFO会議に出席しているときに受け取ったもので、2つのパートがあります。

1)イーブ文字のサンプルです。左が全体図で右が拡大図です。いずれもクリックすると拡大表示します。

2)従来通り原文通りに記述されたチームコマンダーの日記で、最終的な文章としては明らかに不完全です。

イーブ人に我々の科学技術を伝えることは、とても困難な事だった。
どうやって彼らのアインシュタインの説明をしたらよいのだろうか?
逆に、彼らは彼らのアインシュタインをどうやって我々に説明してくれるのだろうか?
我々は、我々の科学と彼らの科学を結びつけるのに随分な時間を掛けた。
しかしながら、彼らは我々の科学・物理学について、我々が彼らの科学を理解するより早く理解したようだった。
我々は、彼らの奇妙なテクノロジーのいくつかを観察することができた。
最初に、我々はベルトに装着しているロケーターと呼ばれる装置の分解してみた。
この装置には、一切のネジやボルトが無く分解は簡単ではなかったので、壊して分解した。
中の電子部品は、これまで見たことがない物だった。
我々が知っているようなトランジスタ・真空管・ダイオード・コイルなどは使われていなかった。
そこには、特定のポイントを接続する膨らみを持った電線が使われていた。
内部には2つの構成部品があったが、いずれも見たこともない物だった。
我々は、この装置が送受信している周波数を測定しようと、周波数カウンターを使ってみたが、測定できる周波数ではなかった。
633と661は、いろいろな機器を使って解析を試みたが、理解には及ばなかった。
我々は、イーブ人科学者を訪ねてみた。(彼をイーブ#4と呼ぶ事にする)
しかしイーブ#4は英語を話せなかったので、イーブ#2が通訳をしなければならなかった。
イーブ#2は上手く英語を話すけれども、翻訳を繰り返すことで失われる事も沢山あった。
我々は、モトローラ社の無線機をイーブ#4に見せた。
モトローラの新型FM無線機は4チャンネル切替式の複雑な物だった。
661は。イーブ#4の前で無線機を分解し、周波数を決める水晶(クリスタル)発振器について説明したが、イーブ#4は理解できなかったようだ。
我々がその無線機について考え込むのと同じように、彼もまた考え込んでいた。
イーブ#2は、イーブ#4がその無線機がどの様に動作するのか理解できなかった事を伝えてきた。
これが我々のジレンマだった。
どうやって、お互いの科学技術を交換したらよいのだろうか。
我々は、お互いの文明を最初から学ばねばならなかった。
そこで、我々は学校を始めることにした。
最初は大変だったが、単純な事柄から始めることにした。
我々の情報も、彼らの情報も類似点は多数あるように思えた。
最初は、光を題材に選んでみた。
以前教鞭を執ったことがある661は、波長について話し始めた。
661は、非可視光とオングストローム(訳注:主に波長を表す単位、1万分の1ミクロン=0.1ナノメートル)について話し始めた。
続いて、光のスペクトルを示した。
661は、我々がどうやって宇宙線の測定を行うのかを示した。
更に、ガンマ線、X線、紫外線へと話を進めた。
661は、我々が光を電磁波と呼んでいるとも説明した。
イーブ時間の一日(訳注:惑星セルポの1日は地球時間の約43時間)を費やして、661は光・波長・周波数帯について彼の知っている全てを話した。
この間、何人かのイーブ人がやってきて661の話を聞いていた。
イーブ#2は、これらの翻訳という大仕事を任された。
イーブ#2は、661が話したこと全てを翻訳できなかったので、通訳には大変な時間を要した。
それでも、彼女は661が話した全てを通訳するという大仕事をやってのけた。
イーブ#4は661が話した全てを理解したとは思わなかったが、それでもそれほど時間を掛けないで661が教えたことを理解していたようだった。
661は、我々の試験装置の内の1つの修理説明書をイーブ#4に見せた。
我々が持ってきたのは、軍用品ばかりだったので、それも軍用の説明書だった。
その説明書には、回路図も書かれていた。
イーブ#4は、完全に混乱したようだったが、最後には、661が彼に見せた試験装置の内部を理解した。
続いて661はオームの法則、電圧、電流などの異なる単位形式について電気の基礎理論を話し始めた。
控えめに見ても、イーブ#4は混乱していたようだった。
しかし、話を聞いていた別のイーブ人の一人が素早く理解をし始めた。
我々は、このイーブ人をイーブ#5またはアインシュタインと呼ぶことにした。
彼は特別に賢かった。例外的に賢いと思った。
3年かかって、最終的に我々の科学の知識を理解したイーブ人に出会うことが出来た。
唯一の問題は彼が英語を話さなかったことだ。
それでも、イーブ#5はイーブ#4がしなかったような質問を我々に投げかけてきた。
数回のレッスンをした後、最終的にイーブ#5は我々が何を言っているのか理解することができた。
イーブ#5のIQは300程あるのではないだろうか。
イーブ#5は、661が出した回路中の抵抗値を解く基礎電気回路などを次々と解いていった。注目に値する場面だった。
こうしてイーブ#5は、我々の最も優秀な生徒となった。
彼は、いつも我々を追い回し、イーブ#2を介して様々な質問をぶつけてきた。
イーブ#2が居ない時は、少し残念そうだった。
我々は彼と多少の英語で話をするか、420または475に通訳をして貰って会話をした。
420だけは、イーブ#5が何を言わんとしているのか最もよく理解していた様子だった。
それに、もう一つの興味深い点として、イーブ#5は他のイーブ人達とは少し違って見えた。
この数年間で、我々は特に北方で生活しているイーブ人達と南方で生活しているイーブ人達が、少し異なっている事に気付いていた。
北方のイーブ人達の方が、頭部が大きく、顔つきがよりしわっぽく見えた。
イーブ#5は、北方出身で、我々の村から5キロほど北へ行った所に住んでいた。
私は、4432の日記に書いた地図に北半球の全ての集落を記した。
我々はまだ全ての集落を訪れてい訳ではないので、もっと他に集落があるのか確信はない。
イーブ#5は独身だった。独身のイーブ人は珍しいが、全く居ないというわけではなかった。
我々は他にも独身のイーブ人達を知っていた。
我々はイーブ#5の私生活を調べるようなことはしなかったが、518は知りたがっているようだった。
以前の日記で、ネジやボルトなどに代わるイーブ人達の技術について解説をしたが、彼らはそれらを全く持っていなかった。
彼らが作る全て物は、ハンダ付けや溶接のような手法で封をしていた。
彼らの工場を訪問した際に、彼らが家具やヘリコプターなどを非常に効率よく製造していたので驚いた。
我々はまだ彼らの宇宙船製造工場を見学したことはなかった。
それはここから南西の遠い場所にあるという事だったが、いつか見学しようと思っている。
我々には、まだ少なくとも地球時間で7年残っている。
以前にも書いたが、我々はもう何年も前から地球時間が判らなくなってしまった。
今日、我々はフェスティバルに呼ばれた。なんと豪華なお祭りなんだ。
先日、我々は最後のCレーションを食べ終わってしまったが、イーブ人達は特に我々に食事の世話をしてくれなかった。
以前にも書いたとおり、イーブ人達は食肉用に野獣を捕獲することを許可してくれていたので、我々は、野獣を捕まえた。
肉質は悪くなかった。私は食べたことがなかったのだが、899は熊肉のような味がすると言っていた。
ところで、我々が肉を食べるとき、イーブ人達は我々を奇妙に思っているようだ。
奇妙なことに、彼らは人間やその他生物のクローンを作ることはできるのに、肉を食べる習慣はないようで、彼らこそとても奇妙だ。
彼らは、我々が何を食べるにしても、我々にはタンパク質が必要な事を理解し、それを許してくれた。
我々は最後の塩とコショウを使ってしまったが、それは彼らの食物を食べるへの挑戦を加速させる事になった。
イーブ人達は、塩・コショウの類を使っておらず、彼らはオレガノの様な酸味のあるハーブを使って調理をしており、我々には新しい味だった。
お祭りはとても素晴らしい物だった。
我々はイーブ人らのダンスに参加してみた。とても楽しかった。彼らは、とても楽しげに踊り、奇妙なゲームを楽しんだ。
このゲームについては以前にも記録したが、今回とは少し違っていた。
そのゲームは、チェスのような感じで、イーブ人達が大きな四角の中に立っていた。
その四角は、24マスに分割されていて、それぞれのマスには、更に2つのスポットがあった。
どうやってイーブ人達が移動するのか、我々にとってはミステリーだった。
一人のイーブ人が何かをしゃべると、別のイーブ人が動くというようで、チームで行うゲームのようだった。
1チームは6人で構成されていた。
結局、最後までよく判らなかったのだが、最後にはイーブ人らは勝利のダンスと思われるダンスを踊った。
実に楽しい一日だった。
我々のチームは、数人のイーブ人達とソフトボールをプレイした。
彼らはボールが地面に落ちる前にキャッチするという事が、なかなか判らないようだったが、それでもみんなで楽しんだ。
イーブ人達の中にも人間のように、運動能力に優れた者も居れば、逆に運動能力がない者もいた。
雨が降ってきたので、ソフトボールを中止して、集落の建物に入った。
食事を済ませた後、それぞれの住居へ戻った。
我々は、毎夜ブリーフィングを行っている。お互いの心理状態と健康状態をチェックしあっている。
一日が終わり、次の8時間が始まる。以前から説明している通り、イーブ人達の一日は我々と大きく異なっている。
約10時間労働した後、約4時間の休息を取っている。
しかし、彼らの日時は長いので、我々は地球時間の使用を止めて、イーブ時間を使用することにした。
理解しにくい所もあるが、これはただの日記だ。
地球に帰還したら、我々が地球時間の代わりにイーブ時間をどの様に使ったのかをじっくり説明しよう。
私は、できるだけ日記に時間を書き入れるようにするが、それはとても重要なメモだ。
我々は既にここに地球時間で3年滞在しているが、既に地球時間を使用することを諦めてしまった。
我々は、2つの太陽を使って日時をカウントする方法を編み出そうとしたが、うまくできなかった。
また、腕時計を使う方法も考えたのだが、結局はダメだった。
それで、我々は地球から持ってきた時計の類の使用を諦めて、イーブ人の時計塔を使用することにした。
それぞれの村には1つの塔があり、そこに記された記号を理解するのは簡単なことだった。
それぞれの記号は、時間と就労期間が記されていた。
お祭りの後、イーブ#2がやってきた。
イーブ#2は、754の事を心配していた。以前にも書いたが、754は病気になっていた。しかし、今は回復している。
我々は、彼が何で苦しんでいたのか判らなかった。しかし、700はペニシリンを使って754を治療していた。
我々は何らかの病気を持っていたが、頑強な岩のような肉体を持つ899は風邪さえひかなかった。
706(訳注:700の誤記と思われる)と754は、各チームメンバーの健康状態に関する詳細な記録を残している。
我々は到着以来、きまった体力トレーニングプログラムを行おうとしていた。
できる時とできない時があったが、しかし、少なくとも肉体的には、みな良好だ。
だが、精神的には何某かの問題もあった。私もそうだが、一部のメンバーは地球を恋しがっていた。
でも、各チームメンバーは自制心を失わず、700や754からのメンタルサポートを必要とはしなかった。我々は選ばれし者達だ。
忙しくしていることは、我々にとって薬だった。我々は課せられた任務の完了を目指していつも忙しく働いている。
最近の会議で、203と私は、軍隊式の挨拶や敬礼を止めることを決めた。
私は、軍人らしい態度やマナーは維持しつつも敬礼は止めることにした。これにはチームメンバー達も同意してくれたし、私も特に問題はなかったと思っている。
我々がそうする様にイーブ人達も彼ら流の挨拶をする。彼らは時刻によって挨拶のやり方が違っている。
例えば、ある時間には抱き合うように挨拶し、ある時間は指をさわり、ある時間はお辞儀をしているが、我々にはなぜそうするのかは判らない。
しかし、イーブ#2はそれが正式な挨拶であると説明してくれた。
イーブ人達は、きっちりとしたとても厳格な生活を送っているが、多少そうでない者達も居た。
軍隊は誰もがきっちりと整列している。以前にも書いたとおり軍隊は警察的な働きもしている。
彼らは武器を携帯していないが、他の者達とは違った制服を着ており、一般のイーブ人達はその制服に敬意を表していた。
軍隊は、常にパトロールをしていた。彼らは二人一組で行動し、とても親しみやすい様に見えるが、とても厳しい。
ある時、二人のイーブ人が向こうを歩いているのを見たが、二人の軍人が彼らの近くに駆け寄り建物を指さしていた。
二人のイーブ人は、その軍人らとその建物へ歩いていった。軍人達はそのイーブ人らに何かを叫んでいた。
420も475もその叫び声の内容を翻訳することは出来なかったが、私は二人のイーブ人が何か習慣か法律を犯したのではないかと考えている。
我々も以前に近づいてはいけなかった場所に接近した際に、軍人らに警告を受けたことがあった。
軍人らが我々に何か指示をする際にはとても丁寧だったが、我々が彼らの習慣や法律を犯すことがあると警告なしに制止された。
我々が最初に砂漠地帯でヘビの様な生き物を殺したとき、すぐさま6人の軍人が駆けつけてきた。
事情を説明して納得してもらうのに随分と時間が掛かった。
それでも、彼らは我々に触れることもなく、何の脅迫もなかった。
我々は彼らに適切に対応したので、彼らもまた適切に対応してくれたようだ。
我々は課せられた任務をこなしていくけれど、彼らは何をするにも許可をしてくれた。
唯一禁じられたのは、個人の住居への立ち入りだった。
かつてそれをやってしまった時、我々は軍人らによって丁寧に外に連れ出された。
軍人は実際に必要な数以上にいたように思う。
彼らにも武器はあるのだが、現実的には武装した軍人に出会うことは滅多になかった。
しかし、先日の警報が発令された時は、武装した軍人を多数見た。
休息時間が終わった頃、イーブ#2が我々のところへやってきて、興奮したようすで我々に外出しないように言った。
我々が理由を尋ねると、イーブ#2は未知の宇宙船が彼らの惑星軌道に侵入したのだと言った。
しかし、軍隊が解決するから心配ないと言った。我々自身も自然に警戒感を強めた。
我々も武器を取り出し周囲を監視する為に、彼女の指示に反して外へ出た。
空を見上げると、多くの航空機が飛んでいるのが見えた。
また、フィールドパックの様な武器などを持った軍人達も見た。
彼らは戦闘機にぎっしり乗っていたと899が叫んでいた。
警報はあまり長くは続かなかった。イーブ#2が戻ってきて全て問題なく終わり警報が解除されたと言った。
宇宙船の正体は判明したのかと尋ねると、彼女はそれは宇宙船ではなく自然の宇宙ゴミで既に飛び去ったと言った。
にわかには信じられなかったが、我々に確認する方法はなく、そのまま通常任務に戻った。

Eメール#15へ   Eメール#17へ

アノニマス氏からのEメール#15

これは、アノニマス氏によって2006年2月4日に投稿された15番目のメールの内容です。

外側にある円は、ダウンロードしたオリジナルでは見えませんでしたが、ワードで図をスキャンしたところ円が現れました。
この文書ファイルは4MBもあって、ファイル中の要素はマウスでドラッグする事ができたので、画面ショットを作成して縮小画像( http://www.serpo.org/Ebenobject_original.gif )を作成してみました。

上側の画像が原画像です。原画像が少し薄かったので、コントラストを強調した画像が(http://www.serpo.org/Ebenobject_darkened.gif)で、下側の画像です。
画像ファイル名の「Ebenobject」は、アノニマス氏が付けた名称です。
ラベル・説明などは、どの画像にも見あたりませんでした。

■編集注:2006年8月号のムー誌の記事では、筆者である南山宏氏が上図を「イーブ機の平面図」と記述していますが、それは完全に同氏の勘違いです。これは宇宙船の平面図ではなく、惑星セルポにてあった日時計のベース部分のスケッチです。

Eメール#14へ   Eメール#16へ

アノニマス氏からのEメール#14

これは、アノニマス氏によって2006年2月1日に投稿された14番目のメールの内容です。
※このeメールは、いままでアノニマス氏がeメールを送っていた相手であるヴィクター・マルチネス氏ではなく、サイト管理者のビル・ライアン氏宛に直接送られました。

※ビル・ライアン氏のコメント
「102」が今までのチームコマンダーとは別人であるように見えるので、例外がさらにあるのかも知れません。更に調査の必要があります。

チームコマンダー102
チームコマンダー補佐203
パイロット#1225
パイロット#2308
言語学者#1420
言語学者#2475
生物学者 518
科学者#1633
科学者#2661
医者#1770
医者#2754
保安要員 899

Eメール#13bへ   Eメール#15へ

アノニマス氏からのEメール#13b

これは、アノニマス氏によって2006年1月28日に投稿された13番目bのメールの内容です。
※このeメールは、いままでアノニマス氏がeメールを送っていた相手であるヴィクター・マルチネス氏ではなく、サイト管理者のビル・ライアン氏宛に直接送られました。

イーブ人達のリーダーは、他のイーブ人達より背が高く、彼は他のイーブ人よりアグレッシブだ。
私がアグレッシブと書いても、それは攻撃的とか敵対的という意味ではない。
彼はボスの様で、私のような指揮官のようだ。
何を言っているのかは判らないが、彼の声は他のイーブ人達とは違って厳しい口調だ。
203は、リーダーは威厳があると言っている。私もそう思う。
彼は我々にとても好意的で、我々の要望をよく聞き入れてくれたが、我々に様々なものを要求した。
我々は大半は要請に応じたが、中でも奇妙なもののひとつは我々の血液だった。
彼は、我々全員に血液サンプルの提出を要請した。
イーブ#2は(彼女の見解ではあるが)、血液サンプルの提出は、我々が治療を受ける必要がある場合に、あらゆる治療が施せるよう予め血液サンプルを採取しておく必要がある為だったということだ。
しかし、700と754は血液サンプルが別の目的で使われるのではないかと感じているようだ。
我々は、彼らに308の遺体を実験のために使用することを認めた。
ログ3888に書いたとおり、彼らは、私の許可無く308から血液サンプルを取っていた。
その時、イーブ人達との間に緊張が走った事があった。
我々が308の遺体があった建物に向かったとき、数人のイーブ人がいて、我々はイーブ#1に308の遺体を返還して欲しいと説明をした。
イーブ#1は、遺体が保管庫に入っており、引き渡しはできないと伝えてきた。
それでも、我々は遺体を引き取りたいとイーブ#1に伝えた。
我々11人の内6名は、イーブ人達の横を通って建物に入っていったが、イーブ人達は、我々を止めようとはしなかった。
建物中には数種類のコンテナがあり、いずれも特殊なロックが掛かっていた為、我々はどの容器も開けることが出来なかった。
その中に308の遺体が納められていると思われる容器を発見した。
899に格納庫から少量の爆薬を持ってくるように命じ、それを使って開ける事にした。
イーブ#2がリーダーと共にやって来た。
イーブ#2はとても礼儀正しく、我々に暫く待って欲しいと言った。
彼女は、「お願いします」と何度も言った。実際に、彼女は英語で「お願いします(訳注:”Please”)」という言葉を使った。
我々は少し引き下がって、我々の友人の遺体を詳しく調べたいので、遺体を返して欲しいとイーブ#2に話した。
イーブ#2は、そのことをリーダーに伝えた。通訳には随分時間が掛かったようだ。
最終的に、イーブ#2は大変申し訳なさそうな表情で、我々に別の場所へ行き、別のイーブ人医師に308の遺体の事を話して欲しいというリーダーからのメッセージを伝えてきた。
イーブ#2は、308の遺体について我々が知りたいあらゆる事をそのイーブ人医師から説明すると英語で話した。
私は、899と754に遺体を監視させた上で、他の者がイーブ人医師がいるという場所へ行きたいとイーブ#2に伝えた。
イーブ#2は、リーダーにその事を通訳した。ふたたび通訳には長い時間がかかった。数分は掛かっただろうか。
結局、イーブ#2は我々全員がこの建物を出てイーブ人医師の事に行って欲しいと伝えてきた。
私は「ノー」と言い、308の遺体を残しては行けないと伝えた。対立状態になりそうな予感がした。
私は、518と420に至急戻ってピストルを持ってくるように命じた。
私は、私のこの決定についてイーブ人の許可を貰うつもりはなかった。
イーブ#2はこれを聞くと、彼女の手を私の胸に当て、待って欲しいと懇願した。
イーブ#2に、この事をリーダーに通訳するように求めた。そして再び長い通訳が行われた。
その後、イーブ#2は、リーダーがこの状況について話し合うためにイーブ人医師をここへ連れてくると伝えてきた。
イーブ#2は、私の部下が武器を取りに行かないように懇願した。
確かに武器は要らない、我々は話し合いで解決しなければ。
イーブ#2に、武器を取りには行かないと伝えたが、308の遺体を確認するまでここを動かないとも伝えた。
リーダーは、ベルトに付けられた通信装置を操作すると、約20分ほどで3人のイーブ人医師達がやって来た。
彼らの内の一人は、とても流暢な英語を話した。彼は、奇妙な声(人間とほぼ同じ)で話した。
この医師は、イーブ#1/#2の様な甲高いアクセントはなかった。
私は、この医師にとても感銘を受けたと同時に、彼がこの18ヶ月間何処にいたのか不思議に思った。
我々は彼を見たことがなかったのだ。
この医師は、308の遺体はこの容器の中にはないと言った。
彼らは、この様な検体を持つことは初めてでありとても光栄なことだと考え、308の遺体を研究用に使ったのだった。
医師らは、彼らのクローン人を創世するために308の遺体を使用したのだと言った。
私は、医師の説明を制止し、308の遺体は惑星地球アメリカ合衆国の財産であり、イーブ人の財産ではないと伝えた。
私は、遺体に対する宗教上の理由から308の遺体を使ったいかなる実験も許可していなかった事を説明した。
私は、単なる実験の為だけなら308の遺体を使用する許可を与えるつもりだった。
まず、308の遺体を見せてくれるように要求した。
するとこの医師は、遺体は既に無くなったと説明した。
彼が言うには、全ての血液と臓器は取り出されて、クローン人を創世するために使用したと言った。
この「人」という言葉は、心底我々を震い上げさせた。中でも899はかなり怒っているようだ。
彼は医師の名をののしるように叫んでいたので、落ち着くように諭し、203に彼を建物の外に連れ出すように命じた。
私は、これが大問題になるのではないかと不安になったが、そうならないようにする事はできそうになかった。
我々はわずか11人なので、もしイーブ人達が我々を収監するとか殺そうとするのは容易なことだと思ったが、イーブ人達はその様なことはしないと思っていた。
私は、この事件が悪い方向に進まないように祈った。
私は、イーブ人達が308の遺体に行った事について、我々ができる事はあまり無いと悟った。
イーブ#2は、かなり動揺していたが、「皆が正しくあらねば(訳注:Everyone should be nice)」と話した。彼女は、よくこの言葉(訳注:”nice”という単語)を繰り返した。
イーブ#2も、この問題がこれ以上こじれないように祈っていたようだ。私は、イーブ#2に申し訳ないと思った。
彼女は、この問題を収めようと努力してくれた。
203は、取り合えず部屋へ戻って我々だけで会議をしようと提案した。
私は、308の残った遺体とその後の実験についてはいかなる干渉もして欲しくないとリーダーに伝え、リーダーの顔を指さした。
イーブ#2は医師と共に通訳をしていた。
その医師(とても率直な人物)は、これ以上何もしないと伝えてきたが、しかし、遺体はほんの僅かしか残っていないという事だった。
イーブ#2は、客人である我々がとても動揺している事をリーダーが心配しているとも話した。
また、我々が激しく怒った事で、リーダーも動揺していたとも伝えてきた。
リーダーは、我々をこれ以上動揺させたくないし、もう遺体に関しては一切何もしないと約束をしてくれた。
私は、イーブ#2に深く感謝し、リーダーにもそう伝えてくれるように頼んだ。
我々は自分たちの部屋へと戻った。
この件では、全員が動揺を隠せなかった。(特に899が)
私は、メンバー全員に落ち着くように伝えた。
私は、我々11人は軍人であるという事を忘れないように説明した。
我々はイーブ人達と戦うことなどできないのだ。
我々はイーブ人と争うために40光年の旅をしてきたのではないのだ。
これは我々が勝ち得なかった戦争なのか。
我々は、イーブ人らを単に拳で殴ることすらできなかった。
ええ、恐らく彼らに暴力で訴えることはできたであろうが、しかしその後はどうするのか。
我々は我々の置かれた現状を理解し、適宜に行動しなければならないのだ。
私は、各メンバーに今の状況を再考して、308の遺体については追求しないように命じた。
633と700には、英語を話すイーブ人医師にクローニングの手法について聞き出すように命じた。
彼らが遺体で行った実験の全てを調べてみよう。
イーブ#2が我々の部屋へやって来たので、633と700が308の遺体を調査しに行った事を伝えた。
彼らは、イーブ人らが308の遺体で行った研究も調べる予定だった。
イーブ#2は、非常に心配しているようだった。
我々は既にこの星へ来て久しいが、それでもイーブ人達の顔の表情を見極めるのは難しいと感じている。
イーブ#2は、最初に承認を得なければならないと答えた。「承認」という言葉をイーブ#2が使ったのは初めてだ。
彼女は、我々の言葉を聞きながら学んでいるのだろうか。恐らく彼女は、我々の言葉をピックアップして使っているのだろう。
私は、イーブ#2に、彼女が許可を取りに行くのは構わないが、我々はこの惑星に到着した際に自由な行動を約束された事を話した。
イーブ#2は、彼女がリーダーと直接話をすると言った。
その間にも633と700は、イーブ人の研究所での実験に使う機材の準備を進めていた。
我々の時計で、約80分後にイーブ#2は戻って来た。
イーブ#2は、私の部下達が研究所に行くことに問題はないと伝えてきた。
私自身も同行することにした。
私と633、700は、イーブ#2の案内で研究施設に行くことになった。
彼らの研究所にはいるために、彼らのヘリコプターのような乗り物を呼び、それに乗って行かねばならなかった。
コンパス(いわゆる本物のコンパスではなく我々が参照用に作った物)を見る限りでは、我々は北へと飛行しているようだった。
その研究施設は、イーブ人のサイズからすれば随分大きな物で、窓のない学校のような建物だった。
我々は屋根の上にある着陸ポイントに降り立ち、傾斜路に沿って下った。
確か、以前にも記録したが、この惑星では、ハシゴや階段の類は使わないようで、傾斜路(訳注:いわゆるランプ)を使っている。
我々は白い壁の部屋へ到着した。更にそこから廊下を通って別の部屋へと移動した。
その部屋で、英語を話す医師と会うことが出来た。
他にも青っぽい色スーツ状の服を着た大勢のイーブ人達が居た。以前書いた事があるスーツとは違っている。
その医師は、この建物で行われている実験について説明をしてくれた。
彼らはここを研究所とは呼ばず、単に「建物」と呼んでいた。
ここはクローンを創成するためだけに作られた建物だった。
我々は、別の部屋へ案内された。そこにはガラスの水槽のような丸い容器が並べられていた。
それぞれの水槽の中には、「体」(訳注:複数体、原文では’Bodies’。‘Body’‘体’という意味と同時に‘遺体’という意味もある)が入っていた。
かなり衝撃的な光景だった。
「体」
奇妙な見かけの「体」。少なくとも人間ではない。
我々は、その水槽のような容器の間を歩きながら、その水槽を調べてみた。
中身は、いずも化け物のように見えて恐ろしかった。
私は、イーブ人医師に中に入っているのは、どの様な生物なのかを尋ねてみた。
イーブ人医師は、これらの生物は、他の惑星からやってくると言った。
700は医師に、これらの生物は生きた状態で来るのか死んだ状態で持って来るのかと尋ねた。
医師は、生きた状態でこの惑星にやってくると答えた。
700は、それら生物がさらわれてくるのか、彼らが望んでくるのかと尋ねた。
医師は、「さらわれる」という言葉の意味が正しく把握できなかったようで、困惑して逆に意味を質問してきた。
700は、これらの生物が別の惑星で、その惑星のリーダーの許可無く捕まえられて、惑星セルポに連れてこられるのかと尋ねた。
医師は、これらは実験のためにここへ持ってこられると答えた。
これらの生物は知的生物ではないという事だった。
イーブ#2は、「動物(訳注:アニマル)」という言葉を使って説明した。
なるほど、判った。
これらの全ての生物は、他の惑星から連れてきた来た動物達だ。
イーブ人医師は、「動物」という言葉は理解していなかったようだ。
イーブ#2は、医師に動物という言葉について説明をしたところ、医師は、これらは動物であると言った。
私は、他に知的生物がこの建物にいるのかと尋ねてみた。
医師は、「はい」と答えたが、惑星セルポに到着した時には既に死んでいたと言った。
700は、その生物を見たいと頼んだ。
イーブ人医師は、「生物」ではなく「知的な存在」であると修正した。
私は、その生物が人間のような動物であろうと想像した。
まず最初に、この容器の中の生き物について書き留める。
それらは、それぞれ違っていて、全て同じではない。
最初の水槽の生物は、ヤマアラシの様に見える。
その中からチューブが出ていて、水槽の下に置いてある箱につながっている。
2番目の生物は、怪物のようだ。
大きな頭、深く沈み込んだ大きな目、耳はなく、歯がない口が見える。
大きさは約5フィート(約1.5m)、2本の下脚がある。足という感じではない。
腕は2本だが、肘があるようには見えない。また手には指はない。
この生物にもチューブが通っている。
次の生物は、なんとも言いようがない異様な感じだ。
血のように赤い皮膚、中央には2つの点、恐らく目があったのだろう。腕も足もない。
また、非常に変な臭いがした。
皮膚は、目盛のようなしみだらけだ。恐らくは魚のようなものだろう。
次の生物は、人間のようだった。
しかし、皮膚は白い。白人という意味ではない、色が白いのだ。
皮膚にはしわが寄っていた。
2つの目、2つの耳と口、大きな頭部。首は非常に短い。
頭部は、まるで胴体の上に座っているようだ。
胸部は薄く、突起のような骨が見える。
腕は曲がっていて、手には親指がない。
足は、3つのつま先だけで、やはり曲がっていた。
これ以外の生物は見なかった。
我々は、廊下を通り傾斜路を歩いて、別の部屋へ移動した。
そこは病室の様な部屋だった。
以前に説明した事があるイーブ式のベッドが沢山並べられていた。
それぞれのベッドには、医師が言うところの「知的生物」が居た。
医師は、それぞれの生物は十分に世話をされているので元気に生きていると話した。
700は、これらの生物が病気なのかと尋ねた。
イーブ#2は、それを翻訳しようとしたが、医師は「いいえ、みな生きている」と言った。
我々3人は、「生きている」という言葉にぎょっとした。
私は医師が何を言おうとしているのかイーブ#2に尋ねてみた。
イーブ#2は、医師に尋ね、「成長している」という言葉を使って説明した。
700は、医師にこれらが前に聞いたクローン人であるのかと尋ねた。
医師は、「はい」と答え、それぞれの生物は成長中であると、イーブ#2と同じ「成長」という言葉を使って説明した。
754は、それらが植物のように成長するのかと医師に尋ねた。
医師は、「はい」と答え、「良い例えです」と言った。
700は、それらがどの様に成長するのかと聞いた。
医師は、他の生物の特定の部分が、これらを成長させるために使われると答えた。
医師は、うまく英語で説明できないと言った。
700はイーブ#2に、成長する過程を説明できるか尋ねてみた。
イーブ#2も説明する為の英単語をよく知らないと答えたが、血液と臓器を混合した物をこれら生物の中に注入すると言った。
これがイーブ#2が英語で説明できた全てだった。
私は、700に一度戻って420を連れてくるように命じた。
420が来るまでの間、我々はこれらの生物を観察した。
彼らは呼吸をしていた。
彼らは、人間そっくりだった。
彼らの内の2体は、人間に見えるが頭部は犬のようだった。
彼らは、眠っていた。もしかしたら薬物を投与されていたのかも知れない。
暫くして、420がやってきた。
私は、420にこれらの生物の成育方法について通訳ができるか聞いてみた。
420は、イーブ#2と話をした。420は、よくやってくれる。
我々はここに地球時間で約18ヶ月滞在しているが、420は彼らの言語をよく習得していたようだ。
420は、他の生物の成長過程で細胞から採取した物質と化学薬品を混合した物をクローンの体内に注入すると言った。
それは420が説明することが出来た全ての事だった。
420はイーブ#2が使った言葉の一部を知らなかったようだった。
しかし、細胞という言葉は分かったそうだ。
それからイーブ#2は、若干の物質が細胞内部から採取されると話した。
700と754は、細胞から採取した物質は、細胞膜なのか染色体なのかと尋ねた。
イーブ#2は、それを医師に通訳した。
両者はその英語がよく理解できていなかった為に混乱したようで、これ以上の過程を説明できないと言った。
700は、”生物学的” “細胞膜の抽出” “促進” という言葉を使ったが、イーブ#2も医師もそのプロセスについては何も知らないようだった。
私は、754に彼らが何をしたのかを理解できそうか尋ねた。
754は、ヒト細胞が細胞膜より小さい構造物を含んでいると言っていた。
これは地球の技術ではないが、754は地球を出発する前にこれに関する情報を学んだようだ。
しかし、754はイーブ人達が行った様に生きた細胞を成長させる事は地球の技術では不可能だと考えている。
イーブ人達は、細胞を成長させて生命体内部に注入する方法を見つけたに違いないと思われた。
700と754はこれは地球上には無い技術だと言った。
私は、次に308の遺体が生命体を作るのに使われたのかを医師に尋ねた。
医師は、「はい」と答えてその生命体を見せてくれた。
私はもちろん、700と754も衝撃を受けた。
我々のチームメイトの血と細胞から作られたこの生命体は、大きなイーブ人のように見えた。
しかし、手と足は人間にとてもよく似ていた。
彼らは、どうやってこれほど早く成長させてのだろうか。
いうまでもなく明らかにこれは我々の知識より進んでいる。
私は、私が見たかったものの全てを見ることができた。
私は、医師にもう帰りたいと伝えた。
イーブ#2は、私が動揺している事を察知し、私の手をそっと握った。
すぐ私は言いしれぬ不安に駆られた。
イーブ#2は、私が見たものについて本当に心配していた。
イーブ#2は、我々に帰るように言った。
我々は、二度と見たくないこの建物から出た。
私は、この文明の暗黒面を垣間見た。
イーブ人達は、我々が思っているような人道的な文明ではなかったが、彼らは包み隠さず我々にそれを見せてくれたし、医師は正直に我々に話をしてくれた。
彼らは、ウソをつけないのだろうか。
我々がこの惑星にいる限り、我々の見た事が彼らへの印象を変えるだろう。

Eメール#13aへ   Eメール#14へ

アノニマス氏からのEメール#13a

これは、アノニマス氏によって投稿された12番目のメールの内容です。
※このeメールは、アノニマス氏がeメールを送っていた相手であるヴィクター・マルチネス氏ではなく、サイト管理者のビル・ライアン氏宛に直接送られました。
(訳注:以下は明らかに文体が違いますが、#11のコマンダーの日記の続きだと思われます)

我々には、深刻な問題が残っていた。
我々の科学技術に関する知識をイーブ人達に伝えなければならないのだが、アインシュタインもケプラーも知らない彼らにどうやってそれをつたえればよいのだろうか。
単純な数学は、彼らには必要はないようだ。
イーブ#2(女性)は、とても知的に見える。
彼女は、1つか2つの地球言語を理解するようだし、更に我々の基礎数学を理解しているらしい。
我々は、非常に簡単な基礎数学から始めた。
「2+2は?」
そこから開始して徐々に進化させてみた。
もちろん彼女は理解し、我々が援助しなくとも次々と解いていった。
彼女が、1000×1000までの計算を繰り返した時、我々は彼女のIQの偉大さに驚いた。
次に、我々は彼女に計算尺を見せてみた。
彼女は、計算尺に書かれた記号の全てを理解していなかったようだが、それでも僅か1~2分で計算尺が何であるのかに気付いたようだった。
彼女は実に素晴らしい。我々は彼女に素晴らしい素養を見た。
恐らく、ここにいる間は、彼女との接触が最も多くなるだろう。
誰もが彼女の心の暖かさに惹かれた。
彼女は、本当に親身になって我々の世話をしてくれた。
初日の夜、彼女は全てが正しい選択であった事を感じさせてくれた。
彼女は、我々に光と熱について注意するように言った。
惑星セルポは、地球のように暗くならないと言うのだ。
彼女が地球のことを何故知っているのか不思議に思った。
彼女は地球に来たことがあるのだろうか?
たぶん、地球のことを教育されたのだろう。
彼らは地球について書かれた本でも持っているのだろう。
ともかく、初日の夜、彼女は吹き荒れる風に注意するようにと警告してくれた。
その風は1つ目の太陽が隠れた頃に始まるということだった。
この風は我々の小屋へと容赦なく吹き付けた。
この様に最初の夜は大変だった。
我々は「夜」と呼んでいたが、イーブ人達には一日の区切りだという風に見えた。
イーブ#2は、「一日」という言葉は知っていたが、地球での一日と比べる事はしなかった。
たぶん彼女は地球に来たことはないのだろう。
その夜はあまり眠れなかった。
イーブ人達は、我々のような眠り方はしないようだ。
彼らは、区切り時間ごとに休息をして、その後再び起きて仕事をするという感じだ。
なんというか、我々が目覚めた時、イーブ#2は我々の小屋の外にいたのだ。
私がドアを開けると、彼女はそこで待っていたのだ。
なぜ?
どうやって彼女は我々が目覚めたことを知ったのだろうか?
たぶん我々の小屋は、何種類かのセンサーでモニターでもされているのだろう。
イーブ#2は、食事の「場所」と案内してくれた。
彼女は、「ダイニングルーム」「食堂」「施設」という言葉ではなく「場所」という言葉を使った。
まずはチームを招集し、反対側の村(便宜上「村」と呼ぶ)へと歩いて行き、大きな建物に入った。
大きいというのは、イーブ人達の背丈を基準にした言い方だが。
中では、食べ物がテーブルの上に置いてあった。
私は、ここを「食堂」と呼ぶことにする。
イーブ人達は、一瞬我々を見たが、そのまま食事を続けた。
彼らは、自分達の家の中では調理をしないのだろうか?
皆がここで食事を取るようだ。
我々は、テーブルへと歩いて行った。
食事は、我々が宇宙船内で食べた食事とは異なっている。
大きなボウルにフルーツのようなものを盛ってあった。奇妙なものだ。
カッテージチーズのようなものがあったので、最初に試食してみると、食べている内に少しすっぱいミルクのような味がした。大丈夫だ。
私は、チームメンバーに食事を始めるように勧めた。
我々は食事を取った方が良いだろう。
しかし、700は日に一度はイーブ人らの食事を食べて、他は我々の持参したCレーションを食べる様に言った。
そうする事で、イーブ人の食事を我々の体に順応させようというのだ。
我々は、地球サイズと比べるといくぶん小さいテーブルとイスに座って食べた。
ここにはイーブ人が100人ほどいるようだが、皆食事をしており、特に我々を気にしていないようだった。
ときどき我々をじっと見ているイーブ人もいた。
我々が異端であって、彼らはそうではない。
我々は訪問者であり、外国人であり、彼らにとって我々は異様に見えるのだろう。
我々はそれぞれ外見が異なるが、彼らはみな同じような外見をしている。
どうやって彼らを見分けようか。出来そうにない。
我々は彼らをじっと見つめた、彼らも我々をじっと見つめた。
そうして外見の違うイーブ人を見つけた。
ずいぶん変わった姿をした生き物だ。大きく長い腕、長い足で殆ど浮いているようだ。
イーブ人ではない。
我々全員が、じっとそれらを見ていた。
この生物は、浮いているように見える。
イーブ#2を見つけた。彼女は、他の3人と食事をしていた。
彼女に近づくと、立ち上がってお辞儀をした。
これは彼ら流の挨拶だ、覚えておいた方がよさそうだ。
私は、先ほど見たイーブ人とは違う種類の様な「生物」について彼女に尋ねしてみた。
(訳注:「生物」は「creature(クリーチャー)」という単語が使われていた。一般にこれは知性ある人に対して使う言葉ではない。)
イーブ#2は少し混乱したようで、「生物」とは何かと聞き返した。
私は、「生物」という言葉を使った。
もしかすると、それは侮辱だったのかも知れないが、単に知らない単語だったのかも知れない。
私は、建物の反対の方を指さした。
彼女は、私の言わんとしていることに気付いた様だ。
イーブ#2は、私の尋ねた者達はイーブ人ではなく、我々と同じ訪問者だと言った。
なるほど、そうだったのか、彼らもここに来ている訪問者だったのだ。
私は、訪問者は彼らだけではないと思い、どんな惑星から訪問者が来ているのかをイーブ#2に尋ねてみた。
イーブ#2は、「コルタ(CORTA)」という様に言ったようだが、よく聞き取れなかったので二度聞き返したが、それでもよく聞き取れなかった。
OK、その「コルタ」は何処にあるのかを尋ねた。
彼女は、私を建物の隅に置いてあったテレビ画面のような装置の前へと案内してくれた。
それは、何かの指令ステーションのように見えた。
彼女はガラス面に指を置くと、何かが現れた。
宇宙なのか? 星系図のようだが、見覚えがない。
彼女は、一点を指さして「コルタ」だと言った。
OK、では、地球は何処にあるのか尋ねてみた。
彼女は別の一点を指して、地球はここだと言った。
この画面で見る限り、コルタと地球は非常に近いのだが、そもそもこの地図の尺度が分からない。
たぶん何兆マイルもあるだろう、いや何十光年かもしれない。
でも、コルタと地球は近くにあるようようだ。
チームの科学者にこれを見せなければと思った。
OK、私はイーブ#2に感謝をすると、彼女は嬉しそうだった。
彼女は、まるで天使のようだ。ほんとうに素晴らしい人だ。
彼女は私の手を取り、テーブルを指して、食事を続けてくださいと言った。
美味しく食べられるかな?
私は、この食堂で美味しそうな食事を頂きますと笑って答えた。
彼女は、ちょっと困ったような仕草を見せた。
彼女は「食堂」の意味が分からなかったようだ。
私は、建物を指し示して、食事を食べる場所だと説明した。
彼女は、私に続いて「食堂」と繰り返した。
私は微笑みながら歩いていった。
彼女は、地球では全てのレストランを「食堂」というのだと思っているに違いないだろう。



我々は小屋に戻った。
もう少し効率的な仕組みが必要だと思ったので会議を開くことにした。皆納得しているようだ。
まず用を足す為の便所についての問題。
イーブ#1が近づいてきて、(彼らは本当に我々の心を読んでいるのか?そうかもしれない)、小屋にあるポットを見せると言った。
皆はそれが何であるか疑問に思ったが、OK、それが我々の便所なのだ。
でも、それでは我々が使うには、幾分具合が悪い。
ポットの中には何かの化学物質が入っているようで、我々の排泄物は、それによって溶かされるようだ。
なんというべきか、OK、4つの小屋それぞれにポットを1つづつ持ってきてくれるように頼んだ。
しばらくは使えるだろう。
イーブ#2は、「地面を歩くように」と言った。
その意味は図りかねたが、420は、「あちこちを見て回れと」いう意味だろうと言った。
OK、そうする事にしよう。
私は225とチーム102を組織した。
633と661には、例のテレビ画面の星系地図を見てコルタが何処にあるのか判断して欲しかった。
518には、気温の測定と気象観測全般を頼んだ。
ここはとても暑い所だ。かなり暑い。60℃以上あるのではないのだろうか?
754は、放射線濃度が高いので、太陽からの放射線に注意するように言っている。
あまり嬉しい警告ではない。
私は、ネバダ州での事を思い出した。
1956年の原子爆弾のテストの時の事だ。
その時も炎天下で、我々は原子爆発からの放射線に注意しなければならなかった。
今、我々は40光年の彼方の見知らぬ惑星に居る、そしてまた暑さと放射線か。
それでも、我々はここに我々が送り込まれた理由を探索しなければならない。
我々は調査の為に歩き始めた。475は軍用カメラでの撮影を行う。
私は、フィルムが放射線の影響を受けないように祈った。
どうやったらよいのだろうか。
たぶん、我々は全ての場合を考えなかったようだ。
私は、225と協力した。
我々は、大きなドアの開いたビルに入ってみた。
そこは教室のような雰囲気だが、イーブ人達はいない。
壁一面に大きなテレビ画面のようなモノがあり、画面上で光が点滅している。
我々は、画面を調べてみた。それは非常に細かいものだ。
これがどの様な原理で動いているのか分からないが、真空管、いや電子機器のようだ。
我々より遙かに進んだテクノロジーのようだ。間違いない。
その建物には、他には触れるものは無かった。
更に進む。おっと、かなり暑い。
大きなタワーを見つけた。
一見するとアンテナ塔のように見えるが、大きな鏡が付いている。
昨日、最初に降り立ったとき、私はこれを見た。
イーブ人がドアの近くに立っているを見つけたが、彼はもう一方へ行ってしまった。
彼が英語を話せるようなら、彼に聞いてみよう。
彼は我々をじっと見つめるだけだが、とてもフレンドリーな感じだ。
どうやら彼は英語が分からないようだ。
我々は建物に入るが、階段らしきものがない。
しかし、丸いガラスの部屋のようなものがいくつかある。
たぶんエレベーターのようなものだろう。
ふと英語が聞こえたので振り向くと、そこにイーブ#2が立っていた。
彼女はどこから来たのだろうか?
私は、この建物をよく見てみたいと彼女に頼んだ。
彼女は、いいですよと答え、ガラスの部屋を指さして上へ行けると言った。
ありがとう、我々はガラスの部屋へ入った。
ガラスのドアは閉じ、そして凄いスピードで上昇して、あっという間に頂上に着いた。
それにしても、これは何だろうか?
イーブ#2にここが何かと尋ねた。
彼女は太陽を指し、そして鏡が置かれた部屋の最上部を指し、更に地面を指した。
OK、我々はそれを見た。
タワーは、円の中心にあった。円は地上にある。
円を四等分したそれぞれは、シンボルのようだ。
太陽光は、直接この鏡を通る(この鏡は我々が知っている様な鏡ではないようだ)。
そして太陽光は、円の上にある各シンボルへと照射されるようだ。
イーブ#2は、光がシンボルの上に来ると、イーブ人達は「変化する」と言っていたが、それが何を意味するのか分からない。
たぶん、彼女が言いたいのは、イーブ人達が何かを行うかという事だと思う。
225は、日時計の様な物だろうと言っている。
太陽光が、各シンボルに当たると、イーブ人達は今やっていることを止めて、別の何かを行うという事だろう。
恐らくこれがイーブ人達の一日を構成しているのだろう。
たぶん日時計で間違いないと思う。
奇妙だ。だが、我々は異星人の惑星にいる。
私は、まだ自分が冗談を言う余裕があることが嬉しい。
まだこれは初日だ。いうなれば初登校の日だ。まだ学ぶことは数多い。
我々は、広い心で考えなければならないと思う。
単純に地球のモノと比較していてはいけないのだ。
我々は、心を開いて新しい事を考えると同時に科学的でなければならない。
これら多くのことは我々と無縁も知れないが、我々は学ばねばならないと思う。
私は、腕時計を指し、それから地表を指して、これが時間を表すモノであることをイーブ#2に見せた。
彼女が理解したのかどうかははっきりしないのだが、私は、「時間」「彼女」そして「理解」と言った。
彼女は、はいと答えて、「イーブ時間」と言い、地表を指さした。
私は再び腕時計を指して「地球時間」と言った。
イーブ#2は微笑んで、「いいえ、セルポでの地球時間」と言った。
OK、判ってくれたようだ。
225は、彼女が地球時間はセルポでは意味をなさないと話したと言っていた。
何がここで時間を計るのに良いのだろうか。腕時計は使えそうにない。
我々は、イーブ時間を使い始めなければならなかったが、我々は10年後に帰還する事を忘れる事は出来ないので、我々の時間も維持しなければならなかった。
10年が100万年のように感じた。イーブ時間での100万年だという意味だが。そうでないことを祈りたい。
しかし、帰宅することを考えている「時間」は無い、我々にはこなさねばならない任務がある。
我々は派遣された軍のチームであるという事を忘れてはならない。
225と私は、ガラスのボウルに戻って地表へと戻った。
別の建物へと移動した、これも大きい。
中を見ると、数多くの植物が取り巻いているのが見えた。
どうやらこちらは温室のようで、彼らは作物を育てているようだ。
大勢のイーブ人達が中にいて、我々を見た。
我々は、中に歩み寄った。
一人のイーブ人が近づいてきて、イーブ語で何か話しかけてきた。
彼は天井と我々の頭を指している。
たぶん落下物に注意しろと言っているのだろうか。イーブ#2を探さないと。
我々は外に出て、イーブ#2を見つけた。彼女はいつも近くにいる。
そうか、理由が分かった。彼女は、我々がベルトに付けている装置で我々の動きをモニタしているようだ。
私は、この建物についてイーブ#2に尋ねてみた。
彼女は、食物を作っている場所だと言った。
OK、もしかしたら我々はその場所を汚染してしまったのかも知れない。
我々は、彼女に先ほどのイーブ人が天井と我々の頭を指したと話した。
イーブ#2は、混乱したようで、我々と共に先ほどの建物に入った。
数人のイーブ人がイーブ#2と話をしていた。
イーブ#2は、我々が入るためには頭にカバーを付けなければならないと伝えてきた。
何故かは判らないが、特に尋ねはしなかった。
我々は、イーブ人の布を着用して、見て回った。
イーブ人達は、楽しげだった。彼らの植物を観察した。
彼らは、土壌で作物を育てている。散水装置もあった。
各植物には、透明な布のようなものが掛かっていた。
私は、散水装置を指して、それは飲料用水かと尋ねると、イーブ#2は、はいと答えた。
すると彼女は我々の喉が渇いている事を察して、別の入口へ案内すると水を差しだしてくれた。
たぶんそれは水だったと思うが、味はやや化学薬品のようだったが、確かに水のようで、とても美味しかった。

Eメール#12へ   Eメール#13bへ

アノニマス氏からのEメール#12

これは、アノニマス氏によって投稿された12番目のメールの内容です。
※このeメールは、いままでアノニマス氏がeメールを送っていた相手であるヴィクター・マルチネス氏ではなく、サイト管理者のビル・ライアン氏宛に直接送られました。
(訳注:以下は明らかに文体が違いますが、#11のコマンダーの日記の続きです)

私は、地球の夢を見た。コロラド・山・雪・私の家族のリアルな夢を見た。
まるで本当にそこにいるかのようだった。
私の状況については何の心配もなく、この宇宙船のことなど忘れていた。
その後目が覚めると、私は混乱して方向感覚を失った。
私は、ボウルの中に居た。いや、それはボウルの様なモノに見えた。
私は、どうやってここに来たのか全く覚えがない。
最初に考えたのは、チームメンバーのことだ。
このガラスのボウルを押してみると、ボウルは開いた。
継ぎ目から漏れるようなシューシューという様な音が聞こえた。
あたりを見回すと、何かの部屋の中だと分かった。見覚えのない部屋の中だ。
でも、チームメンバーは皆ガラスのボウルの中にいて、皆眠っていた。
ひどく足が痛んだが、ボウルの中から這い出して、チームメンバーをチェックした。
11人しか居ない。誰かが居ない。誰が居ないのだ?混乱していて分からない。
喉が渇いてしかたないが、水筒も何も見つからない。確かにあったのだが、何処にもない。
目の焦点がうまく合わないが、これを書かねば、、全てを記録しなければ。
人数を数えた。彼は生きている。誰かが行方不明だ。全部のボウルを確認しなければ。
この部屋は大きい。天井はまるでマットレスのようだ。壁も柔らかい。
部屋には、ボウルとそのボウルと床を繋ぐチューブ以外の物は何もない。
ボウルの底でランプが点滅しているのが見える。
天井には明るい照明がある。内側はマットレスみたいな物だ。
他のボウルを開けようとしたが開かない。
いろいろと試してもダメだった。
イーブ人の助けが必要だ。
ドアがあったが、開かない。
他のドアをどうやって開けたのか全く覚えがない。
我々は、どのくらいこのボウルの中にいたのだろうか?
全く記憶がない。
宇宙旅行は、人の心に問題を引き起こすのだろう。
彼らは、訓練期間中にそんな事を言っていたが、誰も宇宙旅行には出かけたことがなかったじゃないか。
我々はいい見本だ。
ボウルに戻った方が良さそうだ。
少し早く目が覚めてしまったようだ。
腕時計を見ると18:00だ。
でも、何日? 何月? 何年?
分からない、どれだけ眠っていたのだろうか。
床は柔らかそうで、ワイヤーが十字模様に走っている。
部屋の片隅には、テレビ画面みたいな物がある。
きっとボウルの状態をモニタする物だろう。
画面を見るが、イーブ語なので分からない。
画面上には、健康状態を示すと思われるラインが見える。
皆が息をしているといいのだが。
でも、誰かが居ない。
何を忘れているのだろうか?
誰が死んだのだろうか?
ダメだ、思い出せない。
手を見ると、発疹がある。熱い感じがある。
放射線熱傷か何かのように見える。
バックパックの中にあった放射線モニターは何処にあるのだろう?
我々のサバイバル・パックは何処にあるのだ?
何も見つからない。
ボウルの中に戻って横になろう。
この日記も終わりだ。



また目が覚めた。
イーブ人達が部屋に入ってきた。
私のボウルは開いているようだ。
チームメンバーの何人かは既に歩き回っている。
イーブ人達は、彼らを介助してくれている。
ボウルから出よう。
英語が話せるイーブ人が居たので、チームメンバーは大丈夫なのか尋ねてみよう。
彼は分かっていないようだ。大丈夫か?
私は、メンバーを指さして、11人だと言った。12人目は何処だ?
イーブ#1は、空になったボウルを指さして、地球人は生きていないと言った。
(訳注:イーブ1号ではなく、ここにいるイーブ人)
それは分かった、誰かが死んだんだ。でも、誰?
チームメンバー達は、混乱した様子で歩き回っている。
みんな、落ち着いてくれ。
彼らは、死人のように歩き回っている。
彼らはどうしたんだろう? イーブ#1に彼らがどうしたのか尋ねてみた。
イーブ#1は、宇宙病だが、すぐ良くなると言った。
OK、分かった。
あとどれくらい掛かるのか分からない。
まだ飛んでいるが、あとどれくらい掛かるのだろうか。
イーブ#1は、飲み物とビスケットの様な物を持ってきた。
飲み物は、チョークのような味だし、ビスケットは何の味もない。
皆はそれを食べ、飲んでいる。
すると、すっと気分が良くなってきた。
OK、頭がハッキリしてきた。
全員を集めるように203に伝えた。
308が行方不明だ。
彼が死んだのだろう。
イーブ#1が戻ってきて、308のところへ案内してくれた。
彼は、ボウルか棺桶のような物の中にいた。
700と754が308を検査しようとした。
イーブ#1は、308を出してはいけないと止めた。
意味が分からない。
700と754はここにいる。
私は、イーブ#1に、700と754は医者であり308を調べる必要があると伝えた。
しかし、イーブ#1は、感染するからダメだと言った。
私は、308がある種の伝染性の感染症で死んだのだと思った。
308は本当に死んだのか?分からない。
イーブ#1は、我々にアドバイスをくれた。
700と754は、ボウルを覗き込んで調べたが、308は死んでいるようだった。
他のメンバーは、大丈夫そうだ。
先ほどの飲み物とビスケットは、エネルギー補給用なのだろう。
我々は、目の焦点も合わせられるし、正常な思考も出来る。
どうやってこの部屋に入ってきたのか、誰も覚えていないようだ。
我々の装備は全てここにある。
皆、自分の状態について心配している。
イーブ人達は親切だが、あまり多くを語らない。
899は、この部屋に閉じこめられている事が心配だという。
633と661は、任務に集中しようと言った。
私もその意見に賛成だ。
私は、皆にバックパックと食糧ベルトを装着するように伝え、荷物の目録を作り、何が無くなっているか調べる様に言った。
これには暫く時間が掛かった。
時計を見ると、午前4時だった。
しかし、日付も何曜日も分からない。
時間が測定出来ないとは、なんて異常事態だ。
この部屋や宇宙船には時間が分かるものがない。
しまい込んである荷物の中から精密な時計を取り出せれば、日付は分かると思う。
だが、何処にしまわれているのか誰も分からない。



全員が、バックパックの中身と食糧ベルトの目録を作成した。
全て調べ上げた。
899は、ピストルで武装したいと希望したが、私はダメだと言った。
我々には武器は必要ない。
イーブ人達は、とても親切だ。
コンパスを取り出してみたが、うまく動かない。
無線機を取り出して、ベルトに装着した。
この室内で無線機が使えるのかは分からなかったが、スイッチを入れると正常に動作した。
お互い通信が出来る。いいぞ、これで交信ができる。
でも、バッテリーは2日ほどしか持たないので、注意しなければ。
私は、メンバーに私のように日記を書くことを提案した。
私は出来るだけの日記を書くように命じられていた。
でも、日付が分からないし、一日がいつ終わるのか分からない。
661が、ここにいる間、我々のカレンダーと時間システムを作ることを提案した。
いいアイデアだ。そうすることにしよう。
カレンダーは、7日制とした。
腕時計を使って24時間を計測し、それを1日としよう。
06:00を始まりとする。それまでにまだ45分ある。
518は、エアーモニターをセットした。
我々は「通常の空気」を呼吸しているようだ。
チームは、「通常の空気」という518の言い方をおもしろがった。
ユーモアがあるのはとても良いことだ。
OK、午前6時、一日の始まりだ。
661はカレンダーの記録を始めた。
もっと前からこうすべきだった。
我々は、何日間この船に乗っているのか、何日間旅行しているのか全く判らなくなった。
我々は司令室に入ったのか?いや、たぶんそれは夢で見た事だろう。
日記の最初の部分が見あたらない。




イーブ#1が入ってきて、間もなくこの旅が終わると言った。
彼は我々を宇宙船の別の場所に案内した。
さまざまな物がある巨大な部屋に入った。それぞれが何だか判らないが、チェストのように見える。
我々は、食事が置かれたテーブルに案内された。
イーブ#1は、我々に「美味しいですよ、食べてください」と言った。
我々はお互いの顔を見た。
700と754が、皆に食べようと言った。
OK、皿を手に取った。ずっしりと重たい陶器のような皿だ。
まず、シチューのようなものを選んでみた。
それと、以前食べた事があるビスケットを取った。
飲み物は、金属製の容器に入っていた。これも以前飲んだことがある。
みんな食べ始めた。
シチューは、とてもとても薄い味付けだ。
ジャガイモ、キュウリ、何かのクキ、そんな感じの物が入っていた。
正直、マズい。
ビスケットも同じ味だった。
皆、座って食べた。
リンゴのような物を見つけたが、全く違う味だった。
甘くて柔らかい。私はそれを食べた。
口の中一杯に広がる。
チームは、幸せそうだった。
誰かが、デザートのアイスクリームは無いのかと冗談を言っている。
OK、MVCはこの部屋にいる。
最初、彼と会ったとき、彼はイーブ#1を通して話をしていた。
彼らの言葉は耳障りだった。
非常に高いピッチの変な音の様な声、奇妙だ。
イーブ#1は、着陸に備えるようにと伝えてきた。
OK、どうしたらいい?
例のボウルに入らねばならないのか?
そうであっても、誰も入りたくはなかった。
我々は、ボウルに入らねばならないようだ。
そうしなければならないのだが、誰も入りたくはなかった。
我々は、この部屋を出てボウルの部屋へ案内された。
仕方ないボウルに入ろう。
腸と膀胱の安心のために、ポットを使っておこう。
その後でボウルに入ろう。
フタが閉まったが、我々はまだ起きている。
少し横になって寝ることにした。




ボウルのふたが開いた。
時計を見ると午前11時。たぶん1日目だ。
ボウルから、はい出した。
イーブ#1が外にいて、着陸すると伝えてきた。
OK、もうそこまで来ているのだ。
我々は、装備品をまとめた。
700は、外に出るときにはサングラスを着用するように指示した。
我々は、荷造りをし、長い廊下を降りて別の部屋へ移った。
あと1分で到着。
ドアが開くと、そこは大きな部屋の中だった。
そこには我々の装備品が格納されていた。
とても大きな部屋、ここには小型の宇宙船が何機も格納されていた。
更に大きなドアが開いた。
明るい光が入ってきた。
ついに、我々は初めてこの惑星を見た。
下り坂を下っていく。
大勢のイーブ人達が出迎えてくれた。
その中に、ひときわ背の高いイーブ人が居た。
彼は、我々の方に歩み寄って来て話しを始めた。
イーブ#1は、リーダーらしきこのイーブ人の言葉を通訳してくれた。
恐らく彼がリーダーなのだろう。
他のイーブ人より1フィート(約30cm)ほど背が高い。
そのリーダーは、歓迎の意を示し、何と言ったか判らないが何かを叫んだ。
イーブ#1の通訳は、イマイチだ。
我々は、広いアリーナへと案内された。
見たところ、パレード用のフィールドのようだ。
地面は未舗装で土のままだ。
見上げると、青い空が一面に広がっていた。
非常に晴れ渡った空。
見ると、2つの太陽があった。
片方は、もう一方より明るく輝いている。
ここの風景は、アリゾナかニューメキシコの砂漠地帯のようだ。
見える範囲に植物は生えていない。
不毛の地面だけが丘のように広がっている。
我々は、中央の村か町と思われる大きな送電塔の様な建造物のある場所に着陸した。
これらの塔の先端に何か鎮座している。
村の中心部には、ひときわ大きな塔があった。
それらはコンクリート製のように見えた。
非常に巨大で、恐らく300フィート(約90m)はあるだろう。
何か鏡のような物が塔の先端に置いてある。
建物はどれも日干しレンガのような物で出来ているように見えた。
大きな建物もあった。
コンパスが読めないのだが、ある方向を向くと更に巨大な建造物があった。
宇宙船にいたイーブ人達を除くと、イーブ人達はみな同じ衣装を着ていた。
他と違って、ダークブルーの衣装を着たイーブ人達もいた。
どのイーブ人達も、ベルトをしており、そのベルトには箱のような物が装着されていた。
皆が同じ背格好で、子供らしき者達は見あたらない。
地面には、我々の足跡が残った。
外はサングラス無しでは耐えられないほど明るい。
周囲を360度見渡すと、建物と不毛の砂漠だけが見えた。
全く植物がない。彼らは、何処で作物を作っているのだろうか?
なんという惑星なんだ。
我々はここで10年間生活をしなければならないというのか!
誰が言ったのか思い出せないが、千里の道も一歩からというではないか。
それに、大勢のイーブ人達が、我々を歓迎してくれている。
彼らは誰もみな親しみやすそうだ。
驚いたことに、誰かが我々に英語で話し掛けて来た。
チームメンバーが周りを見ると、一人のイーブ人がいた。
このイーブ人は、流暢な英語を話すのだ。
このイーブ人(イーブ#2と呼ぶ)は、Wの発音が出来ない事を除けば、とても流暢な英語を話した。
イーブ#2の英語はとても役立った。
イーブ#2は惑星セルポを自由に見ても良いと言った。
OK、セルポとは彼らの惑星の名前だ。
イーブ#2は、我々にある装置を見せて、全員が常にこれを装着するようにと伝えてきた。
一見すると、それはトランジスタラジオのように見えた。
我々は、各自のベルトにそれを装着した。
ここの気候は、かなり猛暑だ。
633に気温を測るように指示をすると、41℃あると言った。
かなり暑い。
我々はジャケットを脱いで、フライトスーツだけになった。
イーブ人達は、とても親切に感じられる。
何人かのイーブ人は、ショールのようなものをまとっている。
それについてイーブ#2に尋ねると、その者らは女性であるということだ。
OK、わかった。
イーブ人達の外見は、誰もがそっくりで区別できない。
ユニフォーム以外でイーブ人を見分けることが出来ない。
何人かは、違う色のユニフォームを着ている。
イーブ#2は、彼らが軍人であると教えてくれた。
OK、納得した。
イーブ#2は、我々を日干しレンガで作った様な小さな建物へと案内した。
全部で4棟あった。
その後ろには、地下室や貯蔵庫などがあり、地下で繋がっていた。
傾斜路を下って行く。
ドアは、地球で我々が原爆を保管する軍のイグルー(訳注:アラスカ、イヌイットの氷の家みたいなモノ)のように見えた。
宇宙船から運び出された我々の装備品は、全てそこに保管されていた。
我々はそこへ降りていった。
大きな部屋だ。とてもとても涼しい。
我々はここで眠らねばならないかもしれない。
全ての装備品は16個のパレットに載せられてここにあった。



このイグルーは、コンクリートのような材質で造られているようだ。
表面の感触は柔らかいが、中はとても固い。
床も同じ材質で出来ている。
天井にはスポットライトのような明かりがある。
まず我々は、全装備品の目録を作らねば。
小屋へ戻る。
小屋の中は外よりは涼しいが、それでもまだ暑い。
我々は少し頭の中を整理したいと思う。
イーブ#2に、ゆっくり考えたいので、我々だけにして欲しいというと、イーブ#2(女性だと思う)は、OKと言った。
私は、308の遺体の返還をしてほしいと伝えた。
イーブ#2は混乱したようだが、遺体については知らないようだ。
イーブ#2は、彼女の腕を胸の前で交差させ頭を下げた。彼女は泣いているようだ。
イーブ#2は、遺体を我々のところに運んでくると言ったが、彼女はトレーナーに確認を取るといった。
トレーナーという言葉は、ちょっとショックだった。
イーブ#2は英語を勉強中で、誰かが彼女に教えているのか?それともイーブ語でトレーナーという言葉は英語とは意味が違うのだろうか?
たぶんリーダーかコマンダーのことなのか? 判らない。
ともかく、イーブ#2は帰って行った

私は、下の貯蔵庫で全員を集めるように203に指示し、そこで会議を開いた。
633は今日からカレンダーを開始させる事を提案した。
現在13時00分、これが惑星セルポでの第1日目だ。


Eメール#11へ   Eメール#13aへ

アノニマス氏からのEメール#11

これは、アノニマス氏によって2005年12月21日に投稿された11番目のメールの内容です。

私たちのチーム・メンバーに関して

■質問
もし、チームメンバーが「正体を隠して」いたのであれば、お互いになんと呼び合っていたのですか?
(訳注:「正体を隠す」は、原文では「sheep dipped」となっており、これは直訳するなら軍人が諜報活動などの為に民間人に成りすますことを意味しますが、ここでは意訳的に解釈して「正体を隠す」としています)

■回答
チームメンバーは、お互いを名前で呼んではいませんでした。最終的に選考された16名(予備4名を含む)は、それぞれ3桁のコードナンバーを与えられており、彼らはコードナンバーによってのみ識別されていました。 
各チームメンバー同士でも、名前ではなくコードナンバーで呼び合っており、本名は全く使用されませんでした。
しかし、一旦地球を去った後は、彼らはそれぞれニックネームを付けて呼び合っていたという事です。
例えば、チームコマンダー(指揮者)は「Skipper/スキッパー(船長)」、医師達は「Doc-1/ドク(医者)1」「Doc-2/ドク2」、パイロットは「Sky-King/スカイキング」「Flash-Gordon/フラッシュゴードン」などと呼ばれました。
もし、彼らがセルポで本名を使用したとしても、大きな問題ではありませんでしたが、それでも彼らはニックネームかコードナンバーを使用する様に十分に訓練されていました。


チームコマンダーの日記について

ヴィクター:
私は、あなたが失望したり私への信頼を失わないことを望みます。私は、あなた方と同じように旧休暇が必要でした。
私は、USG intellコミュニティーの人々と、この非常に複雑な話題について調整を行っています。
更に、私とDIA-6は、残りの写真についての作業も行っています。
チームコマンダーの日記の内の4ページが、あなた方のUFOメーリングリストに投稿されます。
この日記は長大な上に全て手書きですので、私は4ページをタイプするのに数日もかかってしまいました。
以下は、チームコマンダーの実際の日記です。この日記は、出発日の午前から始まっています。
各チームメンバーは、管理の為に各人が3桁のコードナンバーを持っていましたし、更に未解説のコードや略号がたくさん出てきます。
私は、「正確に」単語や略語をタイプしましたし、一切の変更をしていませんので、あなたも一切の変更や修正をしないで頂きたいと思います。
私が書いた事を強調するために大文字で記入した文章がありますので、これも変更しないで下さい。

(訳注:DIAとは、Defense Intelligence Agency の略で、即ち「アメリカ国防情報局」)


第1日目
準備は整った。我々は最後までやり遂げる決意で一杯だ。チームは、落ち着いているが、やる気に満ちあふれている。
MTCとMTBのよる最終の状況報告。積荷はイーブ船に積み込んだ。銃に関する問題があるかも知れない。
MVCと話してみよう。899と203は全ての武器に関する責任者だ。

全ては順調にいっている。700と754は、各メンバーに搭乗前の最終確認を行うだろう。
OK、全ての荷物は積み込んで収まりもいい。ランデブーポイントに到着したら、全ての荷物を母船に積み替えねば。
エキサイトしてきた感じだ。予約の無い旅行。MTCが全員に最終の意思確認をした。全員が行くと答えた。よし、我々は出発する!
イーブ船の内部は大きい。3層構造になっていて、これは我々が訓練で見た物とは違っている。あれは偵察機だったようだが、これはシャトル機だ。
荷物は最下層に格納して、我々は中間層に座っている。クルー達は最上層に座っている。
立体的に見える奇妙な壁がある。ここは3区画に分かれて、各区画に4人づつ分かれて座っている。
シートではなく単なるベンチだ。我々にはそのシートは小さすぎた。
MVCは、酸素も特別なヘルメットも不要だと言っている。どうしてよいか分からない。OK、最終チェックだ。MTCは、最後に一言「祈っている」と言った。
我々は、イーブ船に乗り込んだ。475は神経質になっているようなので、700に見張らせることにした。
ハッチが閉まった。窓はないので外が見えない。全員が自分のシートに着いた。シートベルトは無い。OK、バーで体を固定した。
宇宙船のエナジー・スラスターと呼ばれるエンジンが始動した。動いている様な感じがするが、内部では何も起きていない。まだこれを書いていられる。
今、めまいがしてきた。隣に座っている102が気絶したようだ。何ともいえない奇妙な感じだ。正常な思考が出来そうにないので、また書き直さねば。

第1日目の2
母船とのランデブーポイントに到着した。何処にいるのか全く分からないが、この旅行では皆が気絶したり激しく混乱しているようだ。
腕時計を見る限り、約6時間が経過している。あるいは、もっとかかっているのかもしれない。
我々は13時25分に出発し、今は19時39分だが、日付の確信がない。
大型船へ移動した。我々は甲板か何かそんな所に立っている。多くのイーブ人達が手伝ってくれている。
彼らは我々が混乱している事を分かってくれているようだ。
積荷の一つは、大型搬送機で降ろされた。積荷を載せているプラットフォームは荷を降ろすことなく動いている。
この船の内部は巨大なビルのように見える。天井までの高さは100フィート(約30m)ほどありそうだ。
OK、我々は別の場所へと移動してる。OK、別の部屋(区画)へ移動した。なんて巨大な船なんだ。どれほどの大きさがあるのか全く説明出来ない。
我々は別のエリアへ歩くのに15分ほどかかった。何か我々の為の特別な場所のようだ。
イスは大きいが10人分しかない。OK、203と私はこれらのイスの上にある別の場所に座る事にしよう。
我々は、ある種のエレベータのような物で移動したが、それがどうやって動いているのか分からない。
皆、空腹だ。バックパックにはCレーションが入っているので、皆でそれを食べる事にしたが、MVCに尋ねてからにしなければ。
でも、彼が見あたらないし、ここにいる2人のイーブ人とは言葉が通じそうにない。
彼らは親切そうだったので、420が彼の語学力を駆使して尋ねてみる事にした。面白い、金切り声を上げるような音(声)だ。
我々は、食事をしたいと身振り手振りを交えて伝えた。片方のイーブ人が何か容器を持ってきてくれた。
なんだか分からないが、彼らの食料だと思う。お粥またはオートミールの様だ。
899が食べてみた。すると、899は「紙みたいな味がする」と言った。我々は、Cレーションの方が良いと思った。
OK、ようやくMVCが現れ、まもなく出発すると伝えてきた。「2ミル」が何を意味するのか分からないが「分」の事なのか。
出発前に食事を済ませるのが良いという事ではなさそうだ。
無重力状態を感じる事はなかったし、めまいも感じなかった。この先何が起きるのか予測出来なかったが、着席しなければならない事を示していた。


第2日目
どれだけの時間、コンテナの中に居たのか定かではない。我々はイスに座っていた。透明なカプセルが我々を覆うように置かれている。
我々は、一人一人この泡の様な球体の中に入っていた。呼吸も出来るし外も見えるが、めまいでくらくらしてきた。
眠ったのだろうか、それとも気絶したのだろうか。別に日になったと思うが、腕時計を見ると座ってから1時間しか経過していないが、翌日になったと思う。
精密な時計は、別の部屋に置いてあるバックパックに入っている。我々は、まだこのカプセルの中にいるが大丈夫だ。
899がこのカプセルから出る方法を見つけたらしくで外に立っている。彼は、私のカプセルを開けてくれた。
このカプセルから出てよいのか分からなかったが、899が言うには、イーブ人が来て我々を見たがそのまま立ち去ったそうだ。
他のメンバーは眠っている。899と私はこの部屋を散歩した。
私は精密な時計を探した。24時間以上旅行しているように思えた。窓はない。当初、この旅は、我々の時間で270日掛かると言われていた。
OK、イーブ人が入って来てイスを指さしたので、我々は戻る必要があると思って中に戻った。


エントリー
今が何日目なのか確信がないので、「何日目」ではなく単に「エントリー」と書くことにする。
我々は、ひどいめまいに悩まされている。胃がひっくり返ったみたいだ。
700と754は、胃を楽にする薬を与えてくれたのだが、まだ気分が悪い。
我々は、目の焦点を合わせることができず、またどちらが上か下か座る方向も判らなくなった。本当に気分が悪い。
投薬によって多少は食べられるようになってきた。700と754の指示で、持って行った水を飲むと多少は気分が良くなったが、何も考えられずビョーキのようでナニもカケない。


エントリー
気分が良くなってくれ。イーブ人達が部屋に入ってきて何かをしていた。
すると、視界が良くなり、めまいもなくなった。我々は再び食事を摂り、沢山の水を飲んだ。ずいぶん気分が良くなった。
我々はカプセルから出ているが、一定の時間はカプセルに戻らねばならない。
イーブ人は、我々に入口のパネルにある一連のライトを示した。緑、赤および白のライト。
赤いライトが点灯したらカプセルに座り、白いライトの時は自由にしていられた。イーブ人は、緑のライトについては説明しなかったが、恐らく良くない合図だと思われた。
我々は、今日が何日なのか判らなくなった、単に23時19分というだけだ。633によると、我々の持って行った日付記録計は正常に動作していないようだ。
彼は、既に10日が経過していると考えているが定かではないという。我々は常にこの狭い部屋に閉じこめられている。
私はこの部屋は我々のために作られた部屋で、ここにいれば安全だと考えている。
だから、この部屋を出るのは賢明ではないと思う。ここは無重力ではないが、どのように重力を発生させているのかは判らない。
しかし、部屋の中を歩いてみると、多少頭がくらくらする。この部屋は予圧されているようで、耳がひどくポコポコする。
270日間この部屋に座っていなければならないのは、かなり退屈だろう。何もすることがない上に、我々の装備は別の場所に保管されている。
バックパックを持ってはいるが、中身はわずかな装備だけだ。
掃除をしたいと思ったが、我々が使用している容器以外にバスルームは無い。それはイーブ人が時々空にしてくれる金属製の容器だ。(訳注:排泄物を入れるトイレに関する事だと思われる)
イーブ人は、彼らの食料を持ってきてくれるので、皆でそれを食べてみた。
確かに紙のような味がするが味という味ではない。きっと宇宙旅行用の特別な食事だと思う。
700はいつもそれを食べている。彼は気分が良さそうだが、彼の腸は調子が良くなさそうだ。
彼らの水は、ミルクのように見えるが味はリンゴみたいだ。実に奇妙だ。


エントリー
この記録を始めてから随分と長い時間が経った。25日ほど搭乗していると推測されるが、我々はカプセルの外に出てから5日ほどだ。
長い間、カプセルに閉じこめられていた。
我々は、窮屈さから脱するために、最後はカプセルを開けることが出来たが、実際に出てみると気分が悪くなった。
めまいと混乱、中にはまともに歩けない者もいる。
我々は排泄に苦労した。イーブ人の食事を食べていた700と754は我々のような病状は無いように見えた。彼らは我々に投薬治療を行ってくれた。
イーブ人がやって来て、我々の頭部に青みを帯びたライトを当てると、ずいぶんと気分が良くなった。しかし、イスに戻るように指示をされたので戻ることにした。
我々はイーブ人に排泄物の容器とイスを示して、これは間違った方法だと説明した。
彼は理解したようで部屋を去っていった後、カプセルの中に置ける小さな容器を持って戻って来た。
更に、彼はミルクの様な液体のビンも持ってきて、我々に飲むような仕草を見せた。
それで、我々は排泄物用容器とミルクのような液体のビンを持ってカプセルに戻り座っている事にした。
その液体を飲むと気分が良くなってきたが、518はまだ調子が悪そうだ。しかし、まだカプセル内に留まるように指示された。


エントリー
私は、どれだけカプセルに留まっていたか判らないが、イーブ人がやってきてカプセルから出るような仕草をして見せた。
我々は、めまいも悪い気分もなく歩き回ることが出来た。
イーブ人は、部屋から出ても良いと言ったので、我々はとても細長い通路に沿って20分ほど歩いた後、エレベータのようなモノに乗ると、動いているのがハッキリ判るほど高速に動いた。
我々は多くのイーブ人達が座っているとても大きな部屋にやって来た。恐らくこれはコントロールルームだろう。
我々のエスコート係が部屋に入れという仕草を見せた。
我々は多くのランプがついているコントロールパネルを見る事が出来た。
そこは4つの異なるステーションに分かれており、それぞれにイーブ人が6人づつ作業をしていた。それらのステーションは同じフロアー上にあった。
この部屋の最上部には、シートが一つだけ備えられており、パイロットか指揮官と思われるイーブ人が一人座っていた。彼は計器パネルの監視に忙しそうだった。
そこには沢山のテレビスクリーンがあり、全てイーブ語で表示されていた。また水平・垂直のラインのような表示がなされていた。何らかのグラフだったと思う。
我々は、やっかいなイーブ人の付き添いなしに自由に見て回ることが出来た。633と661は実に興味深げだった。633は特に熱心に見ていた。
窓が1つあったが、何も見えなかった。暗闇だったが、波打つようなラインが見て取れた。
恐らくある種の時間のひずみではないかと思う。我々は光速より早く移動しなければならないが、窓の外には何も見えなかった。
OK、最後にMVCがやって来て、今はちょうど道程の半分ほどの位置だとブロークンイングリッシュで説明してくれた。
何もかも皆順調だ。宇宙船が、彼が言うこの「時間の波」から出られれば、我々の気分はもっと良くなるだろうと思われる。
MVCは、我々に船内の何処でも自由に見て回って良いと言ったが、我々は一緒にいるべきだと思った。
まずは移動装置の操作方法を教えて貰わねば。エレベータのようなものだと思う。操作ランプの上に手を置くだけの単純な操作に見える。
白と赤のランプがある。動く時は白いランプ、止まる時は赤いランプのようだ。
ある種の音が鳴っているが、MVCはそれは単なる宇宙音だと言う。彼の言っている意味が分からない。
我々は、船内を歩き回ることが出来たが、船体があまりに巨大なので、この船がどれほどの速度で航行出来るのか分からない。
633はエンジンを見たがっていた。MVCは我々の内の4人をエンジンルームへ案内してくれた。
かなり巨大でそれぞれ金属製の大きな容器に収まったものが複数ある。
それらは円形に配置され、それぞれから大きなチューブかパイプ状の物が中心へ向かって接続されている。
中心には銅の様な色をしたコイル状の物が見える。コイルの中心から上に向かってまばゆく光るライトがある。
うなる様な音が聞こえるが、特に大きな音は聞こえない。661は反物質反応炉であると考えているようだ。


[ 以上が、チームコマンダーの日記 ]


■質問
墜落現場で見つかったというイーブのエネルギー発生装置(Energy Device = ED)について詳しく説明して下さい。

■回答
分かりました。それは次の通りです。
外形:9インチ×11インチ×1.5インチ(22cm×28cm×3.8cm)、重量:26.7オンス(約756グラム)
EDは透明で硬質プラスティックの様な材質で作られていました。
左下に接続端子の片側となる小さな四角い金属チップがあります。
右下に別の金属チップがあり、これがもう片側の電極です。
電子顕微鏡を使って調べてみると、EDは内部に微少な丸い泡が沢山見えます。
この泡の中には非常に微細な粒子があります。
EDから電力を取り出すと、この粒子はもの凄いスピードで時計方向に回転を始めます。
泡の周囲には、更に何か未確認の物体があります。
電力を供給している間は、この流体は透明からかすかなピンク色に変わり、温度が38~46℃程度に発熱します。
しかしながら、この小さな泡は熱くならず、この流体だけが熱くなります。泡は、22℃で一定でした。
EDの境目付近には、ミクロサイズの微細なワイヤーがあり、電力を供給している時に、このワイヤーが広がります。
この広がり具合は、供給する電力の量に比例します。
我々は、EDを徹底的に調査しました。
EDは、0.5Wの電球から家中の全電力まで電力を供給する能力がありました。
EDは、必要な電力を自動的に検出して出力電力を自動的に調整します。
EDは、磁性体を含んだ装置を除き、あらゆる電気機器に電力を供給出来ました。
磁性体は、EDの動作を妨害したようでしたが、我々は対処方法を開発出来ました。

私はここでは科学的専門用語を使用するつもりはありません。[国家の安全上の意味のために]

以上が、質問にあったEDに関する基本的な情報です。
おかしな事ですが、我々の回収チームが墜落現場で最初にEDを発見した時は、透明なプラスティック状だった為に、それを窓の一部であると思いました。
その為、イーブ1号は、EDがどの様な動作するのか我々に見せなければなりませんでした。
しかし、EDの完全な解析の為には、まだ長い年月が必要になります。
間もなく全てが理解出来ると確信していますが、この事はプロジェクト・セルポの最終報告書には記載されていません。



■イーブ1号~5号について
イーブ1号は、1947年にニューメキシコ州ロズウェル近郊のコロナで発見された墜落事故の生存者でした。
イーブ2号は、最初の交換留学の為に地球を訪れた科学者でした。私は彼の正確な滞在時期を知りません。
イーブ3号は、女性の科学者でした。
J-RODは、イーブ人達によって創成されたイーブ人のクローン・イーブ人でした。
J-RODについては非常に複雑な問題があり、全てが語られる事は無いでしょう。
J-RODの実体については最上級のトップシークレットのままでしょう。

あなたのUFOメーリングリストでは、この話題に関してはここまでで閉めて、将来的にもこれ以上質問に答えることはありません。
なぜJ-RODがこれほどまでに機密扱いになったのか? 人々はそれが公式にどういう意味があるのかについて思索しましたが、その情報は永遠に公式資料には記載されないでしょう。

ビル・クリントン大統領は、交換留学事業の継続を望んでいましたが、政権の他の者達が、それが誤ったことであるとして却下してしまいました。
その為、イーブ5号を最後に1994年で終了することになりました。


■質問
UFO関連書籍の著者、ホイットリー・ストリーバー氏は、1960年代に人類と宇宙人の交換留学事業に関係していたという人物から連絡を受けた事を主張しています。
実際にストリーバー氏は、チームメンバーの内の誰かと会ったことがあるのでしょうか?

■回答
1989-90年頃にホイットリー・ストリーバー氏に接触した人物は確かにチーム・メンバーの一人でした。我々は彼を知っているし、彼がストリーバー氏に1,2回ではなく3回も接触した事をも知っていました。
チームメンバーの生存者はみな、DIAの特別部局によって注意深く監視されていました。最後の生存者は2002年にフロリダ州で死亡しました。


■ロバート・スタンリー氏からの質問
ヴィクター氏へ 以下の一文に関するより詳細なコメントを下さい。

“でも、イーブ1号がワシントンDCに(とても厳重な管理の下)連れて行かれた時、晩秋の気候でしたが、彼には寒すぎたようです。”

・これはいつのことでしたか?
・イーブ1号は、どれくらいそこに滞在していましたか?
・彼は、どこに滞在していたのですか?

ありがとう。
ロバート・スタンリー
Unicusマガジン

■回答
それについて、私はお答えすることが「出来ません」。
これはここだけの話であり、公式発表ではありません。
イーブ1号が19??年にワシントンD.C.を訪れて、__________(特別の_____の中の_____)に滞在しました。イーブ1号は______大統領とは会いませんでした。
[国家安全保障の理由のために秘匿とします]


■仮定の話/ヴィクター・マルチネス氏
以前観たスピルバーグ監督の「未知との遭遇」のラストシーンで、男性10人と女性2名の合計12人が宇宙船に乗り込んでいきました。
12人という人数は、スピルバーグの台本にも書かれています。
しかしながら、同書の文庫版を読んでみると、12人は全員が男性だと書かれていました。
劇中では補足説明のようなものはありませんでした。彼らは、ロイ・ニアリーと席について沢山の書類にサインをしてもらいました。
最後の書類にサインをしている時、彼は次のように言われました。

「宇宙には、私たちの常識を超えた事が起こりうるんですよ」

スピルバーグは、フィルムのことについて、UFOに関係していると話してきました。
しかし、彼はそれをSF(サイエンス・フィクション)ではなく「科学的事実(サイエンス・ファクト)」と呼んでいました。

コメント:スピルバーグ監督がどうやって正しい人数と性別を知り得たのかとあなたは不思議に思うでしょう。

ロナルド・レーガン大統領が「未知との遭遇特別編」を見終わった後、そっとスピルバーグ監督に「あなたは、これがどれだけ現実に近いか知らないでしょう。」話し掛けたと報じられています。


Eメール#10bへ   Eメール#12へ

アノニマス氏からのEメール#10b

これは、アノニマス氏によって2005年12月8日に投稿された10番目のメール補足Aの内容です。


ヴィクター:はい、私はそのTV番組を拝見しました。ジョージ・ノアリィ氏については聞いたことがありませんが、彼は偏見のないナレーターであったと思いましたし、私もDIAの同僚もとても嬉しかったです。このショーは、DIAのホールでも大騒ぎとなりましたよ。ビル・ライアン氏とリック・ドティー氏はとても素晴らしい仕事をしたと思います。

あなたは、私について他の誰よりよくご存じですし、この計画についてもよくご存じですので、ビクター氏はとにかく出演して、あなた自身のコメントを付け加えてくれればと願ったのですが、そうは行かなかったようですね。

私は、今朝、_____氏(訳注:原文も伏せ字)に電話しました。 
[元米国職員の誰が、一般公開に向けたプロジェクト・セルポ情報を管理をしているのか]

私は、番組で放送された動物の事について、いくつかの矛盾点を見つけました。

アルマジロの様な動物は、どう猛ではありませんでした。チームメンバーはその動物を怖がっただけです。イーブ人ガイドは、そのアルマジロの様な動物にかん高い音の出る音波銃を向けて追い払いました。この動物は惑星のあちらこちらで見られましたし、中には大きく成長した個体も居ましたが、いずれもどう猛ではありませんでした。

ヘビ状の動物だけは、チームが殺さねばならないほどどう猛でした。この生き物は、惑星のある一カ所だけに生息していましたし、他に類似する生物はいませんでした。

鳥類に関しては、2種類の飛ぶ生物を見ました。1つは鷹に似ており、もう一方は大型のモモンガに似ていました。チームはその生物を捕らえようとしましたが、どちらの生物も活発で捕らえることは出来ませんでした。

昆虫に関しては、ゴキブリに似た小さな虫がいました。その虫は害虫ではありませんが、チームの装備の中に侵入したりしました。その虫は甲虫の様に固い殻に覆われていますが、殻の中の体は柔らかい様でした。チームはその他のハエやハチの様な飛ぶ虫は見ませんでしたが、小さな虫は何種類か発見しました。

私は、リック・ドティー氏がもっと彼の知っている知識について自由に発言して欲しいと思いましたが、番組の性質上、ある程度はディレクターの言うことや台本に従わねばならなかったようで、それは叶いませんでした。

■ヴィクター・マルチネス氏からの補足
その番組には台本はありませんでしたが、時間的な制約の関係で元空軍のドティー氏は全てを話せなかった様です。
私は、アノニマス氏の間違いを修正しました。
別のゲストが土壇場で出演をキャンセルした為、参加者全員は代わりに呼ばれました。
ビル・ライアン氏は、彼のWEBサイト「www.serpo.org」を立派に宣伝する事ができました。



私が次に投稿する情報は、実際のチームメンバーの日記になるでしょう。各チームメンバーは、日記を書くことが義務づけられていました。
彼らの日記は、オリジナルの報告書に添付されていて、何百ページにも渡っていましたので、私はそれをご紹介しましょう。
取りあえずは、誰か1人の1週間程度の日記をご紹介します。
更に、チームメンバーによって撮影された4枚の写真の準備をしています。
それらの写真をスキャンしてPCへ取り込んだものを、eメールでお送りします。Serpo.orgのサイトへ掲載する為に管理者のビルライアン氏に送って下さい。
その写真は、サイト管理者ビル・ライアン氏がSerpo.orgへ掲載するだけで、あなたの[巨大な]UFOメーリングリストで流さないで下さい。
誰もが一目それら写真を見れば、たとえ懐疑論者やニセ情報だと文句を言う人々でさえも黙り込んでしまうでしょう。
もちろん、これらの写真はハリウッドの映画セットで撮影したモノではありませんよ。

1枚目は、イーブ人の家の隣でチーム全員が写っていて、更に後ろの方にはイーブ人達も写っている写真

2枚目は、北半球へ移住した後の新しい住居の写真

3枚目は、北半球にあったイーブ人達の村の写真

4枚目は、サッカーに興じるイーブ人達の写真

きっと驚くと思います。
グループ・メンバーの一人が、それらの写真を安全に送る方法を持っています。
私には、正確な方法が分かりませんが、彼が送る前にあなたにそれをお知らせ致します。
それらの写真は暗号化されて、軍の特使がDIAの特別チームからあなたに(もしかすると直接ビル・ライアン氏に)送り届けるでしょう。
あなたにお知らせします。


■視聴者からの質問
イーブ人達が時計(クロック)を使用しないで、太陽の位置によって予定を知らせるタワーを使っているという事についての些細な質問です。
通常、私の知る限りでは、航空機もその他電子機器や精密な機械はどれでも、タイミング(クロック)パルスを使っています。
イーブ人達は、クロックを使用することなく、どうやって宇宙船やヘリコプター型飛行機を飛ばしているのでしょうか。

■ヴィクター・マルチネス氏からの回答
何を愚かなことを書いているのですか? 地球での科学知識に基づいてではなく、セルポでの科学知識ベースで考えなければなりません。
イーブ人達は、我々より何千年も進んだ文明を持っています。
彼らは、我々とは違う方式のナビゲーション・システムを持っていました。(この技術については、2006年になったらまた新たに議論します)

今夜は、もう寝ます。

偉業を続けてください!

Eメール#10aへ    Eメール#11へ

アノニマス氏からのEメール#10a

これは、アノニマス氏によって2005年12月2日に投稿された10番目のメールの内容です。


ジーン・ロスコウィスキー氏が欲しいと言っていた、チームメンバーが行った訓練内容の一覧表があります。

大規模な選別過程の後、チームメンバーは、彼らの困難に耐えうる能力を証明する必要がありました。
それは一連の心理的テスト、医学的検診、およびPAT(肯定的な姿勢テスト、それはパイロットおよび特殊部隊人員に与えられた軍事のテストの意)などからなっていました。

彼らが受けた訓練は、以下のような内容でした。

1.NASA職員による宇宙探検講座
2.天文学、星の識別術、望遠鏡の使用法、および一般的な宇宙物理学
3.イーブ1号から伝えられたイーブ人の人類学
4.イーブ1号から伝えられたイーブ史の基礎情報
5.米軍の野戦時の医療訓練(主に外傷治療)。これはチームの医師以外の人々に教示された
6.高所トレーニング、パラシュート訓練、無重力下での酸素トレーニング
7.サバイバル訓練、危険予測と回避訓練
8.基礎的な武器および爆発物の訓練(6ポンド(2.7kg)のC-4爆薬[プラスティック爆弾]を使用した)
9.心理学的療法トレーニングおよび反尋問訓練
10.少人数での戦術トレーニング(4週間の米軍レンジャーコース)
11.諜報技術訓練
12.宇宙地質学、地質学に関する情報収集技術
13.物理的なストレスに対する訓練
14.監禁や隔絶時の対処方法
15.栄養学
16.各種設備・各種機器使用法訓練
17.それぞれの専門分野のトレーニング
18.基礎的な生物学
19.その他、40年が経過した現在ですら非常に非常によく練られたと思われる数々の訓練

人間は、イーブ人特有の音色による発声音を出すことが出来ましたが、繰り返し繰り返し練習する必要がありました。
イーブ語を学ぶ誰もがこの練習には長い時間を必要としました。
音の内のいくつかは、歌うような高いピッチの音に似ていました。最終的にはできるようになると思われました。

さてこれを考えてみてください。各チームメンバーはイーブの音色発声/言語を教えられたが、その音色発声法を思い出すことはとても難しい事でした。
チームの2人の言語学者は、私が読む限りの資料に因れば、基本的な会話を行うために十分に学習しました。
イーブ人は、英語を勉強しましたが、発音が完全に正確とはいえませんでした。
例えば、資料に因れば、イーブ人は「L」の発音が出来ませんでした。「LOOK」という発音も「OOK」となってしまいました。

我々のチームが地球の日付で1952年の夏に最初のメッセージを送った日から、イーブ人からの最初のメッセージを受信した日までは、4ヶ月間ありました。
我々が送信したメッセージをイーブ人が受け取ったか否かを知る方法はありませんし、彼らが我々のメッセージを解析し、返信するまでに何日かかるのかも判りません。
通信の信号は、イーブ語で、文字と音、音色などでした。

興味深い事柄:宇宙探検隊(トラベラーズ)のあるイーブ人は、英語を学んだ他のイーブ人達より良い英語を話せました。
このイーブ人にチームは「ノア」と言う名のニックネームを付けました。
チームがイーブ人達に重要な情報を伝えなければならなかったときはいつもノアに頼みました。
しかし、チームの滞在も後半に達した頃、ノアは他のミッションのために出掛けてしまいましたが、その時までに2人の言語学者は他のチームメンバーよりイーブ語会話が出来るようになっていました。

■質問
なぜチームはイーブの自動翻訳装置を使用しなかったのですか?
■回答
チームはその翻訳装置を持っていました。しかし、その自動翻訳装置には500語程度の単語しか登録されていませんでしたので、とても十分な会話には使えませんでした。
その為、チームは滞在の初期にその装置の使用を止めてしまいました。

■質問
「ファルコン」とは誰なのですか?
■回答
私は実際の報告書を読んでいますが、「ファルコン」に関して言及されていません。ブリーフィングのコントロール・アクセス登録簿上に「ファルコン」に関する記述はありません。
あなたは1989年に放送されたTVのスペシャル番組で放送された「UFO隠ぺい…生放送!」に姿を隠して登場した「ファルコン」や「コンドル」の事を言っているのでしょうが、彼らには実際にプロジェクト・セルポの報告書にアクセスできる人間ではない筈です。
私は、ファルコンと名乗る誰かがニセ情報(DisInformation)を広めていると推測しています。
イーブ人達は、涼しい北半球を除く惑星の暖かい所に住んでいました。何人かのイーブ人達は、涼しい気候の中でも暮らしていましたが、彼らは極端な寒さは苦手でした。
私は、ひとつにはイーブ1号が言った「私たち」の惑星の意味を混同していると思います。
それは「私たちの」惑星の涼しい場所の様で、彼は惑星セルポのことを言っているのではありませんでした。
イーブ1号は、我々の惑星の来客(ビジター)で、いろいろな場所へ連れて行かれました。
暖かいロスアラモスに着いた時、彼は「涼しい気候が好きだ」と言いましたが、これはロスアラモスの晩夏の頃の事を意味していました。
でも、イーブ1号がワシントンDCに(とても厳重な管理の下)連れて行かれた時、晩秋の気候でしたが、彼には寒すぎたようです。
私は、「ファルコン」に関する情報を全く知りませんが、イーブ1号に関する情報は数多く知っています。


■質問
イーブ1号がいつも言っていたという遺伝子情報を操作して作られた人類が、我々の惑星で宗教、特にキリスト教の発展に関わったと思いますか?

■回答
「イエロー・ブック」(知的地球外生命体によって伝承された人類の歴史とその真実)を深読みすると、イーブ人達の干渉が不利と有利の両面を持っていることが判かってきます。
ひとつの可能性として、イーブ人達はイエス・キリストと一緒に何かを行った可能性がありますし、もしかしたらキリストは彼らの一人だったのかもしれません。
さらに「イエロー・ブック」(具体的な日付は記載されていませんが)の中に書かれているいくつかの宗教的な出来事、たとえばファティマ(訳注:20世紀初頭、ポルトガルのファティマで少女達が体験した奇跡の数々)などのようないくつかの出来事はイーブ人達の地球訪問と結び付けることができます。

http://archive.alienzoo.com/filmandtv/mikefarrellcoverup.html
http://www.ufoseek.org/fatimajv.htm

■質問
数年前、レイ・サンティル氏によって派手に宣伝された「宇宙人解剖フィルム」は本物なのでしょうか?
(訳注:内容を知らない方、ご興味のある方、手元に当時購入したビデオテープがありますので、こちらまでご連絡を頂ければ、ご案内いたします)

■回答
そのフィルムは偽物です。
我々は、ロズウェルの墜落現場で発見された5体のイーブ人遺体の内の4体の検死を行いそれらを撮影しましたが、もう1体は損傷が激しく検死は行われませんでした。
レイ・サンティル氏のフィルムは、完全に偽物です。

http://www.soc.org/opcam/a_autopsy/alienautopsy.html


“DIM”とは、義務情報マニュアルでした。
操作計画、どう計画を具体化するか、非常時の動作手順など、それは彼らが必要とする全ての情報が納められた「聖書」でした。
“DIM”は、アノニマス氏ではなく、プロジェクトに関する詳しい知識を持った別人から提供されました。

■ヴィクター・マルチネス氏による補足解説(2005年12月5日)
アノニマス氏は、85%は資料を基に書いています。そして13%はプロジェクトに関連した別の情報源から持ってきています。更に1-2%は「ゴースト」からの情報を基にしています。
この「ゴースト」は、情報をeメールで送信した後、すぐにメールアカウントを削除してしまいます。
文中に見られる、文法的な違いからそれらが分かると思います。

Eメール#9へ    Eメール#10bへ

アノニマス氏からのEメール#9

これは、アノニマス氏によって2005年11月30日に投稿された9番目のメールの内容です。



各チームメンバーは極度の心理的・肉体的訓練に耐えなければなりませんでした。
ある訓練では、各チームメンバーは、5フィート×7フィート(1.5m×2.0m)の箱に閉じこめられ、地中7フィート(2.0m)の深さに埋められて、外界との接触無く、真っ暗闇の中で僅かな食料と水だけで5日間生活する過酷な訓練を受けました。
ここではいくつかの要因をテストしました。 各チームメンバーは、ある「錠剤」を渡されました。
この「錠剤」は、諜報部員が敵地に乗り込む際に必ず携帯するものです。
何らかの理由で、イーブ人達と対立する事になった場合、この錠剤によってチームメンバーは彼らの人生を「終了」させる事が出来ます。
数人の選ばれたチーム・メンバー(パイロット) は、1949年にニューメキシコ州西部で確保されたイーブ宇宙船の操縦訓練を受けました。
この計画は、非常事態が発生した場合に、独力で地球へ帰還する為の訓練を兼ねていました。チームには4人のパイロットが居ました。
ネバダの基地で、修理されたイーブ宇宙船を飛行させる為の複数の訓練に4週間を費やしました。
ある一つのことを理解すれば、宇宙船を操縦することは難しいことではありませんでした。
1964~1965年にネバダ州西部で多数目撃されたUFOは、我々のチームメンバーによる訓練飛行だったと思います。

チームメンバーは、液体窒素の入った小さなコンテナを持っていきました。イーブ人達は、極端に寒さに弱かったのです。
つまり、もしイーブ人達と対立が発生し、身の危険が生じた場合に、この液体窒素を使ってある程度は危険を回避できるかも知れませんでした。
チームメンバーは、イーブ人の顔面をめがけて、液体窒素を直接スプレーする様に命じられていました。
これはイーブ1号により発見された彼らの弱点でした。
この液体窒素は、我々が日々使用する様な形状をした”特殊コンテナ”に格納されていました。
公式記録には、このコンテナのタイプが記録されていませんが、各チームメンバーはこの小さなコンテナを持っていました。
(訳注:コンテナとは一般的な”容器”を示し、必ずしも”コンテナ”という言葉から連想する様な大仰なものではありません。察するにスプレーボトルの様な物なのか?)

帰還後に書かれた報告書によると、イーブ人達はだれもみな大変友好的である事が分かり、惑星セルポに到着した後、チームメンバーは液体窒素をすぐに捨てました。
イーブ人達は、チームがこの「物質」を持っていることを気付きましたが、特に理由を問われることは無かったといいます。
また、チームメンバーは、ピストルとライフルも持っていきました。
イーブ人達は、それらが武器である事を知っていましたが、やはり、なぜ武器を携行するのかを問いつめられることはありませんでした。
チームメンバーは、惑星セルポの各地へ調査旅行へ出かける場合を除いて、武器を携行することはありませんでした。

Eメール#8へ    Eメール#10aへ