アノニマス氏からのEメール#12

これは、アノニマス氏によって投稿された12番目のメールの内容です。
※このeメールは、いままでアノニマス氏がeメールを送っていた相手であるヴィクター・マルチネス氏ではなく、サイト管理者のビル・ライアン氏宛に直接送られました。
(訳注:以下は明らかに文体が違いますが、#11のコマンダーの日記の続きです)

私は、地球の夢を見た。コロラド・山・雪・私の家族のリアルな夢を見た。
まるで本当にそこにいるかのようだった。
私の状況については何の心配もなく、この宇宙船のことなど忘れていた。
その後目が覚めると、私は混乱して方向感覚を失った。
私は、ボウルの中に居た。いや、それはボウルの様なモノに見えた。
私は、どうやってここに来たのか全く覚えがない。
最初に考えたのは、チームメンバーのことだ。
このガラスのボウルを押してみると、ボウルは開いた。
継ぎ目から漏れるようなシューシューという様な音が聞こえた。
あたりを見回すと、何かの部屋の中だと分かった。見覚えのない部屋の中だ。
でも、チームメンバーは皆ガラスのボウルの中にいて、皆眠っていた。
ひどく足が痛んだが、ボウルの中から這い出して、チームメンバーをチェックした。
11人しか居ない。誰かが居ない。誰が居ないのだ?混乱していて分からない。
喉が渇いてしかたないが、水筒も何も見つからない。確かにあったのだが、何処にもない。
目の焦点がうまく合わないが、これを書かねば、、全てを記録しなければ。
人数を数えた。彼は生きている。誰かが行方不明だ。全部のボウルを確認しなければ。
この部屋は大きい。天井はまるでマットレスのようだ。壁も柔らかい。
部屋には、ボウルとそのボウルと床を繋ぐチューブ以外の物は何もない。
ボウルの底でランプが点滅しているのが見える。
天井には明るい照明がある。内側はマットレスみたいな物だ。
他のボウルを開けようとしたが開かない。
いろいろと試してもダメだった。
イーブ人の助けが必要だ。
ドアがあったが、開かない。
他のドアをどうやって開けたのか全く覚えがない。
我々は、どのくらいこのボウルの中にいたのだろうか?
全く記憶がない。
宇宙旅行は、人の心に問題を引き起こすのだろう。
彼らは、訓練期間中にそんな事を言っていたが、誰も宇宙旅行には出かけたことがなかったじゃないか。
我々はいい見本だ。
ボウルに戻った方が良さそうだ。
少し早く目が覚めてしまったようだ。
腕時計を見ると18:00だ。
でも、何日? 何月? 何年?
分からない、どれだけ眠っていたのだろうか。
床は柔らかそうで、ワイヤーが十字模様に走っている。
部屋の片隅には、テレビ画面みたいな物がある。
きっとボウルの状態をモニタする物だろう。
画面を見るが、イーブ語なので分からない。
画面上には、健康状態を示すと思われるラインが見える。
皆が息をしているといいのだが。
でも、誰かが居ない。
何を忘れているのだろうか?
誰が死んだのだろうか?
ダメだ、思い出せない。
手を見ると、発疹がある。熱い感じがある。
放射線熱傷か何かのように見える。
バックパックの中にあった放射線モニターは何処にあるのだろう?
我々のサバイバル・パックは何処にあるのだ?
何も見つからない。
ボウルの中に戻って横になろう。
この日記も終わりだ。



また目が覚めた。
イーブ人達が部屋に入ってきた。
私のボウルは開いているようだ。
チームメンバーの何人かは既に歩き回っている。
イーブ人達は、彼らを介助してくれている。
ボウルから出よう。
英語が話せるイーブ人が居たので、チームメンバーは大丈夫なのか尋ねてみよう。
彼は分かっていないようだ。大丈夫か?
私は、メンバーを指さして、11人だと言った。12人目は何処だ?
イーブ#1は、空になったボウルを指さして、地球人は生きていないと言った。
(訳注:イーブ1号ではなく、ここにいるイーブ人)
それは分かった、誰かが死んだんだ。でも、誰?
チームメンバー達は、混乱した様子で歩き回っている。
みんな、落ち着いてくれ。
彼らは、死人のように歩き回っている。
彼らはどうしたんだろう? イーブ#1に彼らがどうしたのか尋ねてみた。
イーブ#1は、宇宙病だが、すぐ良くなると言った。
OK、分かった。
あとどれくらい掛かるのか分からない。
まだ飛んでいるが、あとどれくらい掛かるのだろうか。
イーブ#1は、飲み物とビスケットの様な物を持ってきた。
飲み物は、チョークのような味だし、ビスケットは何の味もない。
皆はそれを食べ、飲んでいる。
すると、すっと気分が良くなってきた。
OK、頭がハッキリしてきた。
全員を集めるように203に伝えた。
308が行方不明だ。
彼が死んだのだろう。
イーブ#1が戻ってきて、308のところへ案内してくれた。
彼は、ボウルか棺桶のような物の中にいた。
700と754が308を検査しようとした。
イーブ#1は、308を出してはいけないと止めた。
意味が分からない。
700と754はここにいる。
私は、イーブ#1に、700と754は医者であり308を調べる必要があると伝えた。
しかし、イーブ#1は、感染するからダメだと言った。
私は、308がある種の伝染性の感染症で死んだのだと思った。
308は本当に死んだのか?分からない。
イーブ#1は、我々にアドバイスをくれた。
700と754は、ボウルを覗き込んで調べたが、308は死んでいるようだった。
他のメンバーは、大丈夫そうだ。
先ほどの飲み物とビスケットは、エネルギー補給用なのだろう。
我々は、目の焦点も合わせられるし、正常な思考も出来る。
どうやってこの部屋に入ってきたのか、誰も覚えていないようだ。
我々の装備は全てここにある。
皆、自分の状態について心配している。
イーブ人達は親切だが、あまり多くを語らない。
899は、この部屋に閉じこめられている事が心配だという。
633と661は、任務に集中しようと言った。
私もその意見に賛成だ。
私は、皆にバックパックと食糧ベルトを装着するように伝え、荷物の目録を作り、何が無くなっているか調べる様に言った。
これには暫く時間が掛かった。
時計を見ると、午前4時だった。
しかし、日付も何曜日も分からない。
時間が測定出来ないとは、なんて異常事態だ。
この部屋や宇宙船には時間が分かるものがない。
しまい込んである荷物の中から精密な時計を取り出せれば、日付は分かると思う。
だが、何処にしまわれているのか誰も分からない。



全員が、バックパックの中身と食糧ベルトの目録を作成した。
全て調べ上げた。
899は、ピストルで武装したいと希望したが、私はダメだと言った。
我々には武器は必要ない。
イーブ人達は、とても親切だ。
コンパスを取り出してみたが、うまく動かない。
無線機を取り出して、ベルトに装着した。
この室内で無線機が使えるのかは分からなかったが、スイッチを入れると正常に動作した。
お互い通信が出来る。いいぞ、これで交信ができる。
でも、バッテリーは2日ほどしか持たないので、注意しなければ。
私は、メンバーに私のように日記を書くことを提案した。
私は出来るだけの日記を書くように命じられていた。
でも、日付が分からないし、一日がいつ終わるのか分からない。
661が、ここにいる間、我々のカレンダーと時間システムを作ることを提案した。
いいアイデアだ。そうすることにしよう。
カレンダーは、7日制とした。
腕時計を使って24時間を計測し、それを1日としよう。
06:00を始まりとする。それまでにまだ45分ある。
518は、エアーモニターをセットした。
我々は「通常の空気」を呼吸しているようだ。
チームは、「通常の空気」という518の言い方をおもしろがった。
ユーモアがあるのはとても良いことだ。
OK、午前6時、一日の始まりだ。
661はカレンダーの記録を始めた。
もっと前からこうすべきだった。
我々は、何日間この船に乗っているのか、何日間旅行しているのか全く判らなくなった。
我々は司令室に入ったのか?いや、たぶんそれは夢で見た事だろう。
日記の最初の部分が見あたらない。




イーブ#1が入ってきて、間もなくこの旅が終わると言った。
彼は我々を宇宙船の別の場所に案内した。
さまざまな物がある巨大な部屋に入った。それぞれが何だか判らないが、チェストのように見える。
我々は、食事が置かれたテーブルに案内された。
イーブ#1は、我々に「美味しいですよ、食べてください」と言った。
我々はお互いの顔を見た。
700と754が、皆に食べようと言った。
OK、皿を手に取った。ずっしりと重たい陶器のような皿だ。
まず、シチューのようなものを選んでみた。
それと、以前食べた事があるビスケットを取った。
飲み物は、金属製の容器に入っていた。これも以前飲んだことがある。
みんな食べ始めた。
シチューは、とてもとても薄い味付けだ。
ジャガイモ、キュウリ、何かのクキ、そんな感じの物が入っていた。
正直、マズい。
ビスケットも同じ味だった。
皆、座って食べた。
リンゴのような物を見つけたが、全く違う味だった。
甘くて柔らかい。私はそれを食べた。
口の中一杯に広がる。
チームは、幸せそうだった。
誰かが、デザートのアイスクリームは無いのかと冗談を言っている。
OK、MVCはこの部屋にいる。
最初、彼と会ったとき、彼はイーブ#1を通して話をしていた。
彼らの言葉は耳障りだった。
非常に高いピッチの変な音の様な声、奇妙だ。
イーブ#1は、着陸に備えるようにと伝えてきた。
OK、どうしたらいい?
例のボウルに入らねばならないのか?
そうであっても、誰も入りたくはなかった。
我々は、ボウルに入らねばならないようだ。
そうしなければならないのだが、誰も入りたくはなかった。
我々は、この部屋を出てボウルの部屋へ案内された。
仕方ないボウルに入ろう。
腸と膀胱の安心のために、ポットを使っておこう。
その後でボウルに入ろう。
フタが閉まったが、我々はまだ起きている。
少し横になって寝ることにした。




ボウルのふたが開いた。
時計を見ると午前11時。たぶん1日目だ。
ボウルから、はい出した。
イーブ#1が外にいて、着陸すると伝えてきた。
OK、もうそこまで来ているのだ。
我々は、装備品をまとめた。
700は、外に出るときにはサングラスを着用するように指示した。
我々は、荷造りをし、長い廊下を降りて別の部屋へ移った。
あと1分で到着。
ドアが開くと、そこは大きな部屋の中だった。
そこには我々の装備品が格納されていた。
とても大きな部屋、ここには小型の宇宙船が何機も格納されていた。
更に大きなドアが開いた。
明るい光が入ってきた。
ついに、我々は初めてこの惑星を見た。
下り坂を下っていく。
大勢のイーブ人達が出迎えてくれた。
その中に、ひときわ背の高いイーブ人が居た。
彼は、我々の方に歩み寄って来て話しを始めた。
イーブ#1は、リーダーらしきこのイーブ人の言葉を通訳してくれた。
恐らく彼がリーダーなのだろう。
他のイーブ人より1フィート(約30cm)ほど背が高い。
そのリーダーは、歓迎の意を示し、何と言ったか判らないが何かを叫んだ。
イーブ#1の通訳は、イマイチだ。
我々は、広いアリーナへと案内された。
見たところ、パレード用のフィールドのようだ。
地面は未舗装で土のままだ。
見上げると、青い空が一面に広がっていた。
非常に晴れ渡った空。
見ると、2つの太陽があった。
片方は、もう一方より明るく輝いている。
ここの風景は、アリゾナかニューメキシコの砂漠地帯のようだ。
見える範囲に植物は生えていない。
不毛の地面だけが丘のように広がっている。
我々は、中央の村か町と思われる大きな送電塔の様な建造物のある場所に着陸した。
これらの塔の先端に何か鎮座している。
村の中心部には、ひときわ大きな塔があった。
それらはコンクリート製のように見えた。
非常に巨大で、恐らく300フィート(約90m)はあるだろう。
何か鏡のような物が塔の先端に置いてある。
建物はどれも日干しレンガのような物で出来ているように見えた。
大きな建物もあった。
コンパスが読めないのだが、ある方向を向くと更に巨大な建造物があった。
宇宙船にいたイーブ人達を除くと、イーブ人達はみな同じ衣装を着ていた。
他と違って、ダークブルーの衣装を着たイーブ人達もいた。
どのイーブ人達も、ベルトをしており、そのベルトには箱のような物が装着されていた。
皆が同じ背格好で、子供らしき者達は見あたらない。
地面には、我々の足跡が残った。
外はサングラス無しでは耐えられないほど明るい。
周囲を360度見渡すと、建物と不毛の砂漠だけが見えた。
全く植物がない。彼らは、何処で作物を作っているのだろうか?
なんという惑星なんだ。
我々はここで10年間生活をしなければならないというのか!
誰が言ったのか思い出せないが、千里の道も一歩からというではないか。
それに、大勢のイーブ人達が、我々を歓迎してくれている。
彼らは誰もみな親しみやすそうだ。
驚いたことに、誰かが我々に英語で話し掛けて来た。
チームメンバーが周りを見ると、一人のイーブ人がいた。
このイーブ人は、流暢な英語を話すのだ。
このイーブ人(イーブ#2と呼ぶ)は、Wの発音が出来ない事を除けば、とても流暢な英語を話した。
イーブ#2の英語はとても役立った。
イーブ#2は惑星セルポを自由に見ても良いと言った。
OK、セルポとは彼らの惑星の名前だ。
イーブ#2は、我々にある装置を見せて、全員が常にこれを装着するようにと伝えてきた。
一見すると、それはトランジスタラジオのように見えた。
我々は、各自のベルトにそれを装着した。
ここの気候は、かなり猛暑だ。
633に気温を測るように指示をすると、41℃あると言った。
かなり暑い。
我々はジャケットを脱いで、フライトスーツだけになった。
イーブ人達は、とても親切に感じられる。
何人かのイーブ人は、ショールのようなものをまとっている。
それについてイーブ#2に尋ねると、その者らは女性であるということだ。
OK、わかった。
イーブ人達の外見は、誰もがそっくりで区別できない。
ユニフォーム以外でイーブ人を見分けることが出来ない。
何人かは、違う色のユニフォームを着ている。
イーブ#2は、彼らが軍人であると教えてくれた。
OK、納得した。
イーブ#2は、我々を日干しレンガで作った様な小さな建物へと案内した。
全部で4棟あった。
その後ろには、地下室や貯蔵庫などがあり、地下で繋がっていた。
傾斜路を下って行く。
ドアは、地球で我々が原爆を保管する軍のイグルー(訳注:アラスカ、イヌイットの氷の家みたいなモノ)のように見えた。
宇宙船から運び出された我々の装備品は、全てそこに保管されていた。
我々はそこへ降りていった。
大きな部屋だ。とてもとても涼しい。
我々はここで眠らねばならないかもしれない。
全ての装備品は16個のパレットに載せられてここにあった。



このイグルーは、コンクリートのような材質で造られているようだ。
表面の感触は柔らかいが、中はとても固い。
床も同じ材質で出来ている。
天井にはスポットライトのような明かりがある。
まず我々は、全装備品の目録を作らねば。
小屋へ戻る。
小屋の中は外よりは涼しいが、それでもまだ暑い。
我々は少し頭の中を整理したいと思う。
イーブ#2に、ゆっくり考えたいので、我々だけにして欲しいというと、イーブ#2(女性だと思う)は、OKと言った。
私は、308の遺体の返還をしてほしいと伝えた。
イーブ#2は混乱したようだが、遺体については知らないようだ。
イーブ#2は、彼女の腕を胸の前で交差させ頭を下げた。彼女は泣いているようだ。
イーブ#2は、遺体を我々のところに運んでくると言ったが、彼女はトレーナーに確認を取るといった。
トレーナーという言葉は、ちょっとショックだった。
イーブ#2は英語を勉強中で、誰かが彼女に教えているのか?それともイーブ語でトレーナーという言葉は英語とは意味が違うのだろうか?
たぶんリーダーかコマンダーのことなのか? 判らない。
ともかく、イーブ#2は帰って行った

私は、下の貯蔵庫で全員を集めるように203に指示し、そこで会議を開いた。
633は今日からカレンダーを開始させる事を提案した。
現在13時00分、これが惑星セルポでの第1日目だ。


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